ずっと一緒に

 心配するような言葉を連ねている画面を見て、俊樹は大きくため息をついた。
 そうやって今も、ほくそ笑んでいることだろう。
 すっかり成長した腕の木を、悩んで苦しんでいる姿を見て、楽しく過ごしているんだ。
 黒い感情が、どろどろと満ちていく。
 許しがたいという気持ちがどんどんと出て来るが、メッセージに残すようなことは、すべきではないと思った。
 ここで何か彼に言っても、意味はないだろう。
 むしろ、向こうの気分を良くするだけだ。
 俊樹は夕からのメッセージを無視して、陽道に電話をかけた。
 もしかしたらそろそろ寝る準備とかしてるかな、なんてことを思っていたが、数コールもしないうちに、すぐに繋がった。
「もしもし、俊樹?」
「陽道、あのさ――」
 俊樹が何か言いかけた瞬間、電話越しに、陽道が盛大に息を吐くのが聞こえてきた。
「本当に、心配したんだぞ……」
 心の底から絞り出すような彼の声に、俊樹は一気に罪悪感が押し寄せてきて、ビデオ通話でもないのに、思わずその場でぺこぺこと頭を下げてしまった。
「ご、ごめんね……その、なんていうか……」
 どう、説明したものか。
 咄嗟に、陽道と話さなくては、と電話をかけたはいいものの、何を話すべきか、何を話したらいいのかは、きちんと纏まってはいなかった。
 とりあえず、心配をかけたことに対しては、謝らなくては。
「いろいろ、こう、こんがらがっちゃってさ。熱もあったから、ちゃんと考えられなくて……」
「だとしても、あんな急に話切られたら、びっくりするだろ」
「そうだよね、ごめん……」
 声のトーンからして、さすがの陽道も怒っているようだった。
 当然だ。
 だというのに、俊樹は少し、嬉しく思っていた。
 陽道が怒っているのは、本気で心配してくれているからだ。
 自分のことを思って、本当に怒ってくれている陽道の優しさに、俊樹は抱えていた胸のつかえが、少し取れるような気がした。
「今は、体調はいいのか」
「うん、熱も下がったし、もう大丈夫」
 言い切りはしたものの、俊樹は自分の二の腕をちらっと見て、少し間を置いてから、続けて言った。