ずっと一緒に

 入るところを見つかったこともなかったので、よっぽど運が良かったのだろうと思っていたが、ここ数日の夢のこともあり、何か、違う理由がありそうな気がしてならなかった。
 何もかもを拒絶しているような、排斥しているような、そんな気配が、この場からは感じられた。
 しかし、それでも、陽道は草を掻き分けて、どんどんと奥へと進んで行く。
 しばらく道なき道を進んで行くと、やがて、開けた場所に出た。
 奥に巨木が1つある、それなりに広い空間。
 地面に散らばる廃材があり、周囲の雑木林が影を作っていて、太陽が入り込む隙間すら存在しない。木々の隙間から時々外の光が見える程度だ。
 冷たい空気と湿った土の匂いが、辺り一帯に漂う空間。
 この場所に躍り出た瞬間、陽道が息を呑むのが分かった。
 俊樹も当時、初めて連れて来てもらった時、同じように息を呑んだ覚えがある。
 何もない、だだっ広い空間。
 大きな木があって、自然だけがとにかく残った場所。
 何もないからこそ、誰もいないからこそ、何をしても許される、どんな遊びもできてしまう、そんな広場。
 それが突然目の前に現れて、ワクワクしない小学生はいない。
 心が躍り、胸が弾み、これから始まる楽しい時間に目を輝かせる。
 きっと、最初に連れて来られた自分も、今の陽道と同じように、嬉しそうな顔で辺りを見回していたことだろう。
 その時、だった。
 不意に、ぐるりと首を回していた陽道が、巨木の方を見て固まった。
 それは最初に、この場所へと向かい始めた時と似ていて、どこか不自然な急停止のようで、気味が悪かった。
 陽道の向ける視線の先を見て、俊樹は息を呑んだ。
 そこには、静かに陽道を見ている、少年の姿があった。
 真っ白な髪と古風な服装、目元を隠すように伸ばされた長い前髪に、小柄な体型。
 当時の陽道と比べれば多少大きくはあるが、それでも小学生ぐらいのサイズ感をした、夕によく似た少年が、そこに立っていた。
 人がいるとは陽道も思っていなかったのだろう。
 固まったまま、露骨に焦っているのが見て分かった。
 少年は、当時の陽道からしたら、少し年上のようであり、小学生の頃の年上というのは、絶対的な力の差を感じる相手だった。
 1つ上ぐらいならまだしも、彼は2学年以上、上に見える。
 陽道はおっかなびっくり、相手の態度を伺った。