ずっと一緒に

 そんな想像に囚われているせいで、今、自分は孤独に苛まれている。
 これも全て、腕に木肌が現れてしまったせいだ。
 薬が効いてきたのか、あるいは熱が落ち着いて多少の余裕が出てきたのか、俊樹は無性に腹が立ってきた。
 自分自身の選択に、そして、腕に現れた異変そのものに。
 そんなことをしても痛むだけだと分かりながらも、俊樹は二の腕へと手を伸ばし、木肌のある部分を掻き毟ろうとした。
 しかし、触れる直前、強烈に痛み出した二の腕に、俊樹の手が止まった。
 声を出すことすらできない程の激痛。
 何が起きているのか、困惑する中で、俊樹は咄嗟に二の腕を掴んだ。
 もはや触れる程度では変わらない程の痛みを発する木肌が、俊樹の右手を押しのけて、盛り上がっていくのが感じられた。
 先の尖ったような感触が掌に当たり、そのまま俊樹の手を押しのけるようにして、さらに盛り上がっていく。
 その間にも痛みはどんどんと増していき、もはや、呼吸をすることすらできない程凄まじい痛みが、二の腕を中心に体中を蝕んでいた。
 今度は何が、と怯える俊樹を嘲笑うかのように、盛り上がった木肌が伸びていき、やがてそれは、袖の中を沿うようにして成長していった。
 ようやく痛みが落ち着いてきた頃、体の横に、堅いものが置かれているように感じて、俊樹は掛布団を剥がして見た。
「……は?」
 二の腕の部分が盛り上がり、袖に沿うようにして伸びた枝らしきものが、襟の辺りから僅かに顔を覗かせていた。
 慌てて上着を脱いでみれば、木肌から上部に向かって、枝が伸びてきていた。
 枝の部分は触れても木肌程の痛みは感じなかったが、それでも、無理に曲げたりしようとすると、凄まじい痛みが走るのは変わらなかった。
 枝はまだ短く細いものだったが、俊樹は夢の中で味わった木に飲まれる感覚を思い出していた。
 このまま、この枝が成長していったら。
 そう考えるだけで、あまりにも恐ろしかった。
 一刻も早く、こんなものはどうにかしなきゃいけない。
 痛みを味わい過ぎて、どこが痛いのか、もう分からなくなってきた。
 頭もぼーっとするのは、熱のせいがほとんどだろうが、眠気と、痛みのせいもある。
 痛みを無視して、枝を掴もうとした。
 途端に腕から走る、今まで感じたこともないような凄まじい痛み。