「靴下はまだ生乾きだったから、後で洗って持っていくからな」
「え、いいよ、そんな……」
「履いて帰るのも嫌だろ。どうせ履かないで帰るなら、俺がどうにかしとくって」
「……じゃあ、よろしく」
正直なところ、言われるまで脱いだままにしていた靴下の存在を忘れていたが、どうにかしてくれるというのであれば、ありがたい話ではあった。
それに、何かしら頼みごとをしないとむしろ陽道が参ってしまいそうにも思えたので、俊樹としてはちょうどいいとさえ感じていた。
「早く良くなるといいねぇ」
「そうだね……」
夕は夕で、やはり心配そうに俊樹のことを見ていた。
まだ多少の距離感はあるのか、陽道のように何かしようとはしてこないものの、純粋に心配そうな瞳を向けてくれるのは、存外、嬉しいものだった。
その様子を見ていると、やはり、夢に現れた彼と、目の前の夕が同じ存在とは、思えないような気もする。
こうして心配してくれている姿がどこまで本心なのか、見極めるにしても、まずは体を治してからだな、と俊樹はぼーっとする頭で考えていた。
「じゃあ、また明日……」
「おう、またな」
「またねー」
2人に力なく手を振って、俊樹は下駄箱に向かった。
頭上でチャイムが鳴るのを聞きながら、ローファーに履き替えて、ため息を吐く。
朝に酷く濡れた状態のままだった革靴は今も当然ぐっしょりと濡れていて、やたらと冷たい感触が余計に体調を悪くしてきそうだった。
素足で履いている、というのも良くないのかもしれないが、ここに関しては靴下がないのでしょうがない。
外を見ると、雨はまだ降り続いていたが、朝程の強さではなくなっていた。
あちこちにある水たまりも、叩かれる頻度がすっかり減っていて、傘さえあればこれ以上、濡れることなく帰れそうではある。
学校から出て少し歩いてから、校門の手前でなんとなく、俊樹は教室のある方を見た。
電気がついている教室内の様子は、窓ガラスが反射してしまっていまいち分からなかった。
どこの教室でも授業が始まっていて、体育だとしても外が使えず体育館を利用しているせいか、学校全体があまりにも静かで、人の気配はするのに、1人だけ世界に取り残されてしまったような、不思議な感覚になった。
……なんて、体調の悪さが、気持ちまで弱めてしまっているのかもしれない。
「え、いいよ、そんな……」
「履いて帰るのも嫌だろ。どうせ履かないで帰るなら、俺がどうにかしとくって」
「……じゃあ、よろしく」
正直なところ、言われるまで脱いだままにしていた靴下の存在を忘れていたが、どうにかしてくれるというのであれば、ありがたい話ではあった。
それに、何かしら頼みごとをしないとむしろ陽道が参ってしまいそうにも思えたので、俊樹としてはちょうどいいとさえ感じていた。
「早く良くなるといいねぇ」
「そうだね……」
夕は夕で、やはり心配そうに俊樹のことを見ていた。
まだ多少の距離感はあるのか、陽道のように何かしようとはしてこないものの、純粋に心配そうな瞳を向けてくれるのは、存外、嬉しいものだった。
その様子を見ていると、やはり、夢に現れた彼と、目の前の夕が同じ存在とは、思えないような気もする。
こうして心配してくれている姿がどこまで本心なのか、見極めるにしても、まずは体を治してからだな、と俊樹はぼーっとする頭で考えていた。
「じゃあ、また明日……」
「おう、またな」
「またねー」
2人に力なく手を振って、俊樹は下駄箱に向かった。
頭上でチャイムが鳴るのを聞きながら、ローファーに履き替えて、ため息を吐く。
朝に酷く濡れた状態のままだった革靴は今も当然ぐっしょりと濡れていて、やたらと冷たい感触が余計に体調を悪くしてきそうだった。
素足で履いている、というのも良くないのかもしれないが、ここに関しては靴下がないのでしょうがない。
外を見ると、雨はまだ降り続いていたが、朝程の強さではなくなっていた。
あちこちにある水たまりも、叩かれる頻度がすっかり減っていて、傘さえあればこれ以上、濡れることなく帰れそうではある。
学校から出て少し歩いてから、校門の手前でなんとなく、俊樹は教室のある方を見た。
電気がついている教室内の様子は、窓ガラスが反射してしまっていまいち分からなかった。
どこの教室でも授業が始まっていて、体育だとしても外が使えず体育館を利用しているせいか、学校全体があまりにも静かで、人の気配はするのに、1人だけ世界に取り残されてしまったような、不思議な感覚になった。
……なんて、体調の悪さが、気持ちまで弱めてしまっているのかもしれない。
