どちら側に挟もうとしても、腕を動かすだけで多少の痛みが走るのだ。
ソファに座ったまま悪戦苦闘して、ようやく右脇に体温計を押し込んで、一息つく。
そのままじっとしていると、どうにも眠ってしまいそうで、何度か船をこぎながら俊樹は静かに計測が終わるのを待った。
寝不足なのも今、体にダメージとして現れているらしい。
消毒液の匂いが立ち込める保健室の中は少し暖かく、どうやら暖房が焚かれているようだった。
自分のような体調を崩した生徒が来た時のための配慮だろうか。
何にしても、今はこの微かな温かさが、非常にありがたかった。
深く体が沈むソファに体重を預けて、ぼんやりしていると、だんだん瞼が重たくなってきたが、寝落ちかけた辺りでようやく体温計が鳴ってくれた。
取り出してみて、頭を抱える。
「38.1℃。うん、これは休んだ方がいいわね……ご両親はお家にいる?」
「たぶん、どちらもまだ仕事です……」
「うーん、ならどうする? 早退するか、ご両親に連絡入れて、ベッドで休んでるか。とりあえず先生としては、そのまま授業に戻るのはやめた方がいいと思うわ」
少し考えてから、俊樹は「早退します」と小さく答えた。
もう少しすれば昼休みが終わるし、残りの授業に出られるとも思えなかった。
ベッドで少し休んだところで、体調が良くなるとも思えない。
だったら、さっさと帰って自宅で休んだ方が、まだマシな気がした。
「じゃあクラスの誰かに荷物持ってきてもらうこと、できる?」
そう言われて、頷きながら俊樹はスマホを取り出し、陽道に連絡した。
『ごめん、早退するから僕の荷物持ってきてくれない?』
『分かった』
短い返事がきて、すぐに陽道は保健室に来てくれた。
後ろに夕もついてきて、心配そうな顔を向けてくる。
「やっぱり熱あったよ……今日はもう、帰って休むね」
「1人で帰れるのか?」
「うん、大丈夫」
「今、親御さんどっちも家にいないだろ? 迎えとか……」
「そんな遠くないし、平気だよ。家に風邪薬もあるし、それ飲んでとりあえず寝ちゃうつもりだからさ」
ひたすら不安そうにする陽道に、俊樹は苦笑した。
そんなにぐったりしているように見えるのだろうか。
とはいえ、早退に付き合わせるようなことはできないので、心配してくれる陽道をなんとか宥めて、持ってきてもらった鞄を受け取った。
ソファに座ったまま悪戦苦闘して、ようやく右脇に体温計を押し込んで、一息つく。
そのままじっとしていると、どうにも眠ってしまいそうで、何度か船をこぎながら俊樹は静かに計測が終わるのを待った。
寝不足なのも今、体にダメージとして現れているらしい。
消毒液の匂いが立ち込める保健室の中は少し暖かく、どうやら暖房が焚かれているようだった。
自分のような体調を崩した生徒が来た時のための配慮だろうか。
何にしても、今はこの微かな温かさが、非常にありがたかった。
深く体が沈むソファに体重を預けて、ぼんやりしていると、だんだん瞼が重たくなってきたが、寝落ちかけた辺りでようやく体温計が鳴ってくれた。
取り出してみて、頭を抱える。
「38.1℃。うん、これは休んだ方がいいわね……ご両親はお家にいる?」
「たぶん、どちらもまだ仕事です……」
「うーん、ならどうする? 早退するか、ご両親に連絡入れて、ベッドで休んでるか。とりあえず先生としては、そのまま授業に戻るのはやめた方がいいと思うわ」
少し考えてから、俊樹は「早退します」と小さく答えた。
もう少しすれば昼休みが終わるし、残りの授業に出られるとも思えなかった。
ベッドで少し休んだところで、体調が良くなるとも思えない。
だったら、さっさと帰って自宅で休んだ方が、まだマシな気がした。
「じゃあクラスの誰かに荷物持ってきてもらうこと、できる?」
そう言われて、頷きながら俊樹はスマホを取り出し、陽道に連絡した。
『ごめん、早退するから僕の荷物持ってきてくれない?』
『分かった』
短い返事がきて、すぐに陽道は保健室に来てくれた。
後ろに夕もついてきて、心配そうな顔を向けてくる。
「やっぱり熱あったよ……今日はもう、帰って休むね」
「1人で帰れるのか?」
「うん、大丈夫」
「今、親御さんどっちも家にいないだろ? 迎えとか……」
「そんな遠くないし、平気だよ。家に風邪薬もあるし、それ飲んでとりあえず寝ちゃうつもりだからさ」
ひたすら不安そうにする陽道に、俊樹は苦笑した。
そんなにぐったりしているように見えるのだろうか。
とはいえ、早退に付き合わせるようなことはできないので、心配してくれる陽道をなんとか宥めて、持ってきてもらった鞄を受け取った。
