ずっと一緒に

 その横顔は、夢で見たあの不気味なものとはまるで違っていて、だからこそ余計に、俊樹は彼の真意が分からずにいた。
 何を考えて、僕たちにわざわざ話しかけに来たんだろう。
 昨日は確かに、趣味が合いそうだったのも含めて、とても楽しく話せた。
 今日だって、あんな夢を見なければ、一緒に話すのがすごく楽しみだった。
 でも、明らかに今、自分が苦しんでいるのはあの夢が関係していて……考えれば考える程、俊樹は頭の中がぐちゃぐちゃになっていくようだった。
 ダメだ、何も分からない。
 そもそも、今自分の体に起こっていることも分からないのに、悩んだところで何も成果は得られそうになかった。
「俊樹もさ、早く晴れてほしいよね。……俊樹?」
「え、ああ、うん、そうだね……」
 俊樹はひとまず、考え込むのを止めた。
 ちょっと思索して解決するようなことであれば、こんなに困ったりはしない。
 夕がどういうつもりなのであれ、ひとまずは、様子を見るしかなさそうだった。
 それから、午前が過ぎて午後になってもなお、雨は強く降り続いていた。
 あまりの勢いに早めに下校できたりするかも、といった噂すら生徒たちの間で流れ始めていたが、残念ながらそんなことにはならず、昼休みのクラス内では皆、不満そうに昼ご飯を食べ始めていた。
「さすがに雨だけだと早めに帰ったりはできないよねぇ」
「あんまり大雨だったら警報出たりすると思うけどな」
「そこまでってわけでもないのかな。ほら、朝はすごかったけど、今も強いは強いけど、あそこまでじゃないっていうか」
「朝のはほぼスコールみたいなもんだったからなぁ」
 窓の外を眺めながら、俊樹の前に集まってきた陽道と夕は、そのまま近くの机と椅子を拝借して、昼ご飯を広げ始めた。
 普段外で食べている生徒たちも今日は室内で食べるようにしているらしく、教室内に残っている人間はいつもより多少多い。
 あちこちから響く話し声をぼんやりと聞きながら、俊樹も弁当の包みを取り出したのだが、
「俊樹? どうした?」
「……え?」
 心配そうにこちらを見る陽道に、返せた反応はそれぐらいで、実のところ、少し前から頭が全く回っていなかった。
「うわ、顔真っ赤じゃん。大丈夫なのそれ?」
 夕も心配そうにこちらを見ている。