脱いで乾かしておくべきというのも当然だし、俊樹としても普段であれば躊躇なく脱いでいただろう。
でも、今日だけは、ダメだ。
「見た目ほどじゃないから、そのうち乾くよ。大丈夫」
ひとまず取り繕うような笑みを浮かべて、俊樹は靴下を脱ぎ、他の生徒たちと同じように軽く絞った。
「っ……」
靴下から水滴が落ちると共に、二の腕の辺りに痛みが走った。
やはり、力んだりするのは難しいようだ。
顔を歪めながらなんとか靴下を絞る俊樹を見て陽道は何か言いたげだったが、夕がいるからか、手を貸すようなことはしてこなかった。
痛みのせいで思ったよりも力を入れることができず、情けなさを感じながら、俊樹はある程度水気が取れた靴下を手に、陽道たちと裸足のまま教室に向かった。
俊樹たちの教室には、ベランダの手前、窓際に沿う形で、何のためか分からない手すりが存在している。
転倒防止か、あるいはバリアフリーなのか、何かしらの理由があってつけられているだろう手すりは、もっぱら、こんな日の靴下干し場と化していた。
すでにいくつもの靴下やタオルがひっかけてあり、俊樹たちもそれに倣って、濡れた靴下を干す。
「ホントにカーディガンはいいの?」
改めて聞いてくる夕に、俊樹は頷いてみせた。
そっか、と大して気にしている風でもない彼に、俊樹は聞きたかった。
先程から、カーディガンを脱ぐよう促してくるのは、この腕を皆や、陽道に見せようとしているから?
そもそも、僕の腕をこんなことにしたのは、君なんじゃないの?
昨日と変わらない様子で、朗らかに、楽しげに、夕は俊樹たちの隣に立っている。
「こうも雨ばっかだと嫌になるね。外で遊べないからつまんない」
「そんな、小学生じゃねぇんだから」
「でもさー、せっかくこっち来たばっかだし、もっと探検したいんだよね。学校の近くとかさ。何があるのかも全然知らないし。わりと大きい森があるのは知ってるんだけど、分かるのなんてそれぐらいだしさー」
「確かに、それはもったいないか」
「でしょ? だから早く晴れてほしいんだよねー」
「晴れてたら遊べそうな場所とか、いろいろ案内してやれんだけどな」
「お、ホント? じゃあなおさら晴れてほしぃー!」
何でもないような話を陽道と繰り広げながら、夕はけらけらと笑っていた。
でも、今日だけは、ダメだ。
「見た目ほどじゃないから、そのうち乾くよ。大丈夫」
ひとまず取り繕うような笑みを浮かべて、俊樹は靴下を脱ぎ、他の生徒たちと同じように軽く絞った。
「っ……」
靴下から水滴が落ちると共に、二の腕の辺りに痛みが走った。
やはり、力んだりするのは難しいようだ。
顔を歪めながらなんとか靴下を絞る俊樹を見て陽道は何か言いたげだったが、夕がいるからか、手を貸すようなことはしてこなかった。
痛みのせいで思ったよりも力を入れることができず、情けなさを感じながら、俊樹はある程度水気が取れた靴下を手に、陽道たちと裸足のまま教室に向かった。
俊樹たちの教室には、ベランダの手前、窓際に沿う形で、何のためか分からない手すりが存在している。
転倒防止か、あるいはバリアフリーなのか、何かしらの理由があってつけられているだろう手すりは、もっぱら、こんな日の靴下干し場と化していた。
すでにいくつもの靴下やタオルがひっかけてあり、俊樹たちもそれに倣って、濡れた靴下を干す。
「ホントにカーディガンはいいの?」
改めて聞いてくる夕に、俊樹は頷いてみせた。
そっか、と大して気にしている風でもない彼に、俊樹は聞きたかった。
先程から、カーディガンを脱ぐよう促してくるのは、この腕を皆や、陽道に見せようとしているから?
そもそも、僕の腕をこんなことにしたのは、君なんじゃないの?
昨日と変わらない様子で、朗らかに、楽しげに、夕は俊樹たちの隣に立っている。
「こうも雨ばっかだと嫌になるね。外で遊べないからつまんない」
「そんな、小学生じゃねぇんだから」
「でもさー、せっかくこっち来たばっかだし、もっと探検したいんだよね。学校の近くとかさ。何があるのかも全然知らないし。わりと大きい森があるのは知ってるんだけど、分かるのなんてそれぐらいだしさー」
「確かに、それはもったいないか」
「でしょ? だから早く晴れてほしいんだよねー」
「晴れてたら遊べそうな場所とか、いろいろ案内してやれんだけどな」
「お、ホント? じゃあなおさら晴れてほしぃー!」
何でもないような話を陽道と繰り広げながら、夕はけらけらと笑っていた。
