幼い頃に会っていた、というのも考えにくい。
夢の中で出会った彼は確かに小さいが、それでも、あの時の自分たちよりは大きかった。
小学生ぐらいの背丈とはいえ、まだ120cm前後だった俊樹たちに比べて、明らかに彼の方が大きくは見えた。
それに、服装も奇妙ではあった。
今時、着ている人を見たこともないような和服姿。
浴衣とか、甚兵衛のようなものともまた違う、あえて近い物をあげるとすれば、そう、神社で働いている神主さんが着ているようなもの、だろうか?
髪の色、背丈、服装、どれを取っても、あの日の出来事も相まって、出会っていたとしたらよく覚えているに決まっている。
であれば、彼が夢に現れるのは、一体?
頭の中に疑問は浮かぶものの、答えは全く出てこない。
考えても意味はないと結論付け、もう1度寝ようと試みたが、どうにも、先程の夢の出来事が脳裏を過ぎって、寝付けそうになかった。
昨日も昨日で同じ調子だったし、このままでは酷い寝不足になってしまいそうだ。
ため息を1つ吐き、起き上がって時間を潰そうと、俊樹はベッドに肘をついた。
「っ、いっ、たぁっ……!?」
直後、ベッドに触れている左肘に凄まじい痛みが走り、俊樹は起き上がりかけた体を投げ出した。
思わず左腕を抑えた手に、伝わった感触。
半袖によって半分以上が隠れた二の腕を覆う、右の掌。
そこから感じる質感は、明らかに、おかしなものだった。
人の肌から感じるそれではない。
柔らかさもなく、弾力も感じられない、堅く、ざらついた手触り。
夢に見た光景のせいで、容易に想像がつくその正体を頭で否定しながら、俊樹はゆっくりと、右手を外し、二の腕を見た。
「何、これ……」
そこには、木肌が現れていた。
大きく二の腕から肘先まで広がっていた傷痕が、まるで別の空間に繋がる裂け目かのように、木の幹のような質感に代わっている。
まるで皮膚を剥いたらその下が丸ごと木であるかのような、そんな錯覚さえ感じてしまう程、木肌と地肌の境目はしっかりとくっついていた。
自分の腕とは思えないような堅い質感に、俊樹は困惑しながら、軽く指先で木の部分を突いてみた。
「いった!」
すると、起き上がろうとした時よりかは控えめに、しかし確かな痛みが走り、俊樹は再びベッドの上で悶えた。
すぐに痛みは弱まるものの、それでも、刺さるような激痛が急に走る感覚は、2度でもう、味わいたくないと強く思うには充分なものだった。
なるべく触れたり、体重をかけないように気を付けながら起き上がって、俊樹は改めて左腕を見て、ようやく、自分の体に起きた異変を恐ろしく思った。
痛みと奇妙な夢が先行したせいで、自分の体に起きた奇怪な変化に、頭がついて来ていなかった。
一体、何が起きているというのだろうか。
人間の体は、こんなことにはならない。
当たり前のことを否定する現実に、頭がどうにかなりそうだった。
まだわずかに寝ぼけていた脳みそは、痛みのせいもあってすっかり目覚めていた。
だからこそ、自分の中にある違和感が薄いという事実が、何より怖い。
直前に見ていた夢があったせいで、受け入れてしまいそうな自分が、1番恐ろしかった。
夢の中で出会った彼は確かに小さいが、それでも、あの時の自分たちよりは大きかった。
小学生ぐらいの背丈とはいえ、まだ120cm前後だった俊樹たちに比べて、明らかに彼の方が大きくは見えた。
それに、服装も奇妙ではあった。
今時、着ている人を見たこともないような和服姿。
浴衣とか、甚兵衛のようなものともまた違う、あえて近い物をあげるとすれば、そう、神社で働いている神主さんが着ているようなもの、だろうか?
髪の色、背丈、服装、どれを取っても、あの日の出来事も相まって、出会っていたとしたらよく覚えているに決まっている。
であれば、彼が夢に現れるのは、一体?
頭の中に疑問は浮かぶものの、答えは全く出てこない。
考えても意味はないと結論付け、もう1度寝ようと試みたが、どうにも、先程の夢の出来事が脳裏を過ぎって、寝付けそうになかった。
昨日も昨日で同じ調子だったし、このままでは酷い寝不足になってしまいそうだ。
ため息を1つ吐き、起き上がって時間を潰そうと、俊樹はベッドに肘をついた。
「っ、いっ、たぁっ……!?」
直後、ベッドに触れている左肘に凄まじい痛みが走り、俊樹は起き上がりかけた体を投げ出した。
思わず左腕を抑えた手に、伝わった感触。
半袖によって半分以上が隠れた二の腕を覆う、右の掌。
そこから感じる質感は、明らかに、おかしなものだった。
人の肌から感じるそれではない。
柔らかさもなく、弾力も感じられない、堅く、ざらついた手触り。
夢に見た光景のせいで、容易に想像がつくその正体を頭で否定しながら、俊樹はゆっくりと、右手を外し、二の腕を見た。
「何、これ……」
そこには、木肌が現れていた。
大きく二の腕から肘先まで広がっていた傷痕が、まるで別の空間に繋がる裂け目かのように、木の幹のような質感に代わっている。
まるで皮膚を剥いたらその下が丸ごと木であるかのような、そんな錯覚さえ感じてしまう程、木肌と地肌の境目はしっかりとくっついていた。
自分の腕とは思えないような堅い質感に、俊樹は困惑しながら、軽く指先で木の部分を突いてみた。
「いった!」
すると、起き上がろうとした時よりかは控えめに、しかし確かな痛みが走り、俊樹は再びベッドの上で悶えた。
すぐに痛みは弱まるものの、それでも、刺さるような激痛が急に走る感覚は、2度でもう、味わいたくないと強く思うには充分なものだった。
なるべく触れたり、体重をかけないように気を付けながら起き上がって、俊樹は改めて左腕を見て、ようやく、自分の体に起きた異変を恐ろしく思った。
痛みと奇妙な夢が先行したせいで、自分の体に起きた奇怪な変化に、頭がついて来ていなかった。
一体、何が起きているというのだろうか。
人間の体は、こんなことにはならない。
当たり前のことを否定する現実に、頭がどうにかなりそうだった。
まだわずかに寝ぼけていた脳みそは、痛みのせいもあってすっかり目覚めていた。
だからこそ、自分の中にある違和感が薄いという事実が、何より怖い。
直前に見ていた夢があったせいで、受け入れてしまいそうな自分が、1番恐ろしかった。
