ずっと一緒に

「あ、れ……?」
 目の前に立つ少年を、俊樹は改めて、上から下まで、じっくりと眺めた。
 小柄で華奢な、まるで小学生のように見える姿。
 目元が隠れる程に長く伸ばされた髪は、色は白いが、長さも質も同じもの。
 服装こそ違うものの、ようやく俊樹は彼の姿を見たことがあると気が付いた。
「夕、だよ、ね?」
 俯き、静かに佇む夕とよく似た姿が、そこにあった。
 彼は、昨日の夢の中と同じように、静かに俯いたまま、何も話さない。
 俊樹がかける声にも、これといって反応を示したりはしなかった。
 困惑する俊樹の前で、かつての事故が、再び動き出していた。
「俊樹!」
 ようやく我に返った様子の陽道が、慌てて巨木から降りてくるのが見えた。
 急ぎ過ぎたからか、危うく彼も足を踏み外しそうになりながら、それでも、最後は身軽に飛び降りて、倒れたまま動かない俊樹のすぐそばにまでやって来ていた。
 佇む少年が壁になってしまって、屈んだ陽道が、倒れた俊樹に対して、どうしているのかはよく見えない。
 だが、必死に俊樹の名を呼ぶ姿からして、すがりつくようにしながら、揺り起こすなりしているのだろうな、というのが見えずとも分かった。
 どれだけ呼びかけても、かつての自分は目を覚まそうとしない。
 俊樹は、ほとんど絶叫に近い陽道の声に、胸が痛むのを感じていた。
 当時、小学生だった以上は、目の前で友達が動かなくなったのを見て、パニックになるのも仕方のないことだ。
 そして、その原因が、自分が遊びに誘ったからだとすれば、なおのこと。
 秘密基地にやってきて、一緒に木を登ろうと言った時の楽しそうな陽道は、影も形も残っていなかった。
 落ちてしまったのは自分がどんくさかったからだと、彼を慰めてあげたかった。
 泣きながら叫ぶ幼い彼をそっと抱き締めて、あの時の怪我は大したことないよ、僕は大丈夫だよ、なんてことを、嘘でもいいから伝えてあげたかった。
 しかし、俊樹の体は動かそうとしても動かず、目の前の出来事に介入することはできないようだった。
 それもそうだ、起きたことは変わらない。
 これはどうせ、過去を見ているだけに過ぎず、過去に実際やってきたわけではないのだ。
 所詮は夢の出来事。
 何か行動を起こしたところで過去が変わるわけでもない。
 それに、もし仮にここで何か行動を起こしたとして、その結果、過去が変わるのだというのなら、自分は――