【桜木朔良】
明友さんに出会ってから、時々見る夢がある。
極楽と呼ばれる場所で、ただただ泣いて暮らす夢だ。
そこでの僕は、白い着物姿の髪の長い女の子だった。
僕は、明友さんと同じ名前の男の人に会えないことがつらく、泣くしかなかった。
極楽はとても美しい世界と聞いていたけれど、夢の中のでは白黒だった。
神の遣いという人が何人も現れて、僕の世話を焼こうとしたが、すべて断った。
美味しい茶菓子があると勧められて一口食べたが、感触は砂でなんの味もしなった。
極楽に来られるだけで幸せだと、神の遣いは代わるがわる言うけれど、僕の胸はポカリと穴が空いていて、全然響かなかった。
一度だけ、「明友という人が願ったからここに来られたのよ」と言われた時だけ、感情を高ぶらせた。激昂が慟哭に変わり、疲れ果ててさめざめと泣いた。
僕の願いは二つだけ。
明友さんに会いたい。
明友さんと一緒にいたい。
明友さんと一緒ならば、そこが僕にとっての極楽だと。
食事を取らず、水分を取らず、ただぼんやりしていても死なない世界で、僕は明友さんとの思い出に浸る以外、ほぼ廃人だった。
END
明友さんに出会ってから、時々見る夢がある。
極楽と呼ばれる場所で、ただただ泣いて暮らす夢だ。
そこでの僕は、白い着物姿の髪の長い女の子だった。
僕は、明友さんと同じ名前の男の人に会えないことがつらく、泣くしかなかった。
極楽はとても美しい世界と聞いていたけれど、夢の中のでは白黒だった。
神の遣いという人が何人も現れて、僕の世話を焼こうとしたが、すべて断った。
美味しい茶菓子があると勧められて一口食べたが、感触は砂でなんの味もしなった。
極楽に来られるだけで幸せだと、神の遣いは代わるがわる言うけれど、僕の胸はポカリと穴が空いていて、全然響かなかった。
一度だけ、「明友という人が願ったからここに来られたのよ」と言われた時だけ、感情を高ぶらせた。激昂が慟哭に変わり、疲れ果ててさめざめと泣いた。
僕の願いは二つだけ。
明友さんに会いたい。
明友さんと一緒にいたい。
明友さんと一緒ならば、そこが僕にとっての極楽だと。
食事を取らず、水分を取らず、ただぼんやりしていても死なない世界で、僕は明友さんとの思い出に浸る以外、ほぼ廃人だった。
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