愛しい君は、生き霊になっても俺を離さない。


 その日はなんでもない1日だった。
 いつもの帰り道を、いつもの彼と歩いていた。
 昨日読んだ漫画が面白かっただとか、担任教師が今日も吠えていただとか、そんなくだらない話題を振れば、隣の彼はふっと小さく笑う。
 その頭は、自分よりちょうど頭1個分高い。顎はシャープで、瞳はキリッと吊り上がっている。羨ましい。
 自分はといえば、丸い猫目に長いまつ毛という、対照的な顔つきだ。女子には羨ましいと言われることもあるが、こちとら男なので、もっとキリッとした顔つきが良い。まさに隣の幼馴染のように。
 そんな意味のないことを考えていれば、耳元まで伸びた猫毛を、冷たい風が撫で、しょうもない自己嫌悪をさらっていく。ああ、もうすぐ冬だなと、今度はそんな呑気なことを考える。
 先に続く一本道は、幼稚園の頃から何度も通った道で、もう目を瞑ってでも歩けるだろう。誰が入るんだろうと思うボロボロの小料理店を過ぎ、小さな交差点に出た。
 ……日常が崩れたのはその時だ。
 甲高いブレーキ音が耳を裂く。振り向く間もなかった。
 視界いっぱいに、トラックの影が迫る。

 ──どんっ。

 激しい衝撃と共に、(とも)の視界は真っ白になっ