四季神家の【五】女は年下夢魔軍神に溺愛される

 数日後――。

「坊ちゃん」

 メイド長の声に、『今代最強の退魔師』こと阿ノ九多羅(あのくたら)デウスは顔を上げた。
 日本人美形の父と、絶世の西洋人美女の間に生まれた奇跡のような顔が、メイド長の瞳に映る。

「坊っちゃん呼びはやめろ。いつも言っているだろう」
「事実、坊っちゃんではありませんか」
「そうだとしても、だ。まったく……それで?」
「はい」

 メイド長が一枚の写真を取り出した。
 可憐――というにはやや、やつれた女性が写っている写真だ。

「これは?」
「四季神家の末女です。この娘が、数日前に坊っちゃんをもしのぐ霊力総量に目覚めたとの情報を得ました」
「ほう。『人類最強』の父と、『世界最強の魔王』の母を持つ、この俺の霊力総量をか?」
「あくまで、遠距離からの測定に留まる結果ですが。どうされますか?」
「決まっている」

 デウスが立ち上がった。

「会ってみよう。まずは、先触れの手紙を出さねばな」