デウスを文字どおり甘やかしたあとは、デパートメントストアだ。
「千代子様が、『坊っちゃんは成長期なので、すぐに服が小さくなる』と喜んでおられました。そういえば、今朝の洋風寝間着もお袖が短かったですよね」
「だから子供服売り場に来た、と? まったく、どこまで子供扱いすれば……」
「旦那様、こちらのお洋服なんてどうでしょう? やっぱり! 旦那様にはお洋服が本当によく似合う」
「ふふん、そうか? ……じゃなくてっ」
「お客様、よければご試着なさいますか?」
「いいんですか!?」
店員の言葉に、伍は食いついた。
それからしばらく、伍はデウスを着せ替え人形にして楽しんだ。
昨日とは真逆の光景である。
「旦那様、次はこのお洋服を――旦那様?」
伍は、デウスがソワソワしていることに気づいた。
「旦那様、どうかなさいました?」
「その……トイレだ」
「といれ?」
「厠だ」
「あらまぁ」
「済ませてくるから、ここで待っていろ」
「はい」
デウスが厠のほうへ走っていく。
その背中を見送った伍は、店先でしばしボーッとする。
(いろいろあったなぁ。二日前まで四季神家にいたなんて、とても信じられない)
父は、姉は、今頃どうしているのだろうか。
「あらぁ? 誰かと思えば、穢らわしい忌み子じゃないの」
「――ッ」
骨身に染みている声を聴いて、伍は震え上がった。
動機がする。
あっという間に、額に冷や汗が浮いてきた。
「ふ、冬姫お姉様……」
腐った水の臭いとともに、双子の姉・冬姫が立っていた。
「千代子様が、『坊っちゃんは成長期なので、すぐに服が小さくなる』と喜んでおられました。そういえば、今朝の洋風寝間着もお袖が短かったですよね」
「だから子供服売り場に来た、と? まったく、どこまで子供扱いすれば……」
「旦那様、こちらのお洋服なんてどうでしょう? やっぱり! 旦那様にはお洋服が本当によく似合う」
「ふふん、そうか? ……じゃなくてっ」
「お客様、よければご試着なさいますか?」
「いいんですか!?」
店員の言葉に、伍は食いついた。
それからしばらく、伍はデウスを着せ替え人形にして楽しんだ。
昨日とは真逆の光景である。
「旦那様、次はこのお洋服を――旦那様?」
伍は、デウスがソワソワしていることに気づいた。
「旦那様、どうかなさいました?」
「その……トイレだ」
「といれ?」
「厠だ」
「あらまぁ」
「済ませてくるから、ここで待っていろ」
「はい」
デウスが厠のほうへ走っていく。
その背中を見送った伍は、店先でしばしボーッとする。
(いろいろあったなぁ。二日前まで四季神家にいたなんて、とても信じられない)
父は、姉は、今頃どうしているのだろうか。
「あらぁ? 誰かと思えば、穢らわしい忌み子じゃないの」
「――ッ」
骨身に染みている声を聴いて、伍は震え上がった。
動機がする。
あっという間に、額に冷や汗が浮いてきた。
「ふ、冬姫お姉様……」
腐った水の臭いとともに、双子の姉・冬姫が立っていた。



