四季神家の【五】女は年下夢魔軍神に溺愛される

「すぅ……すぅ……」

 それから、デウスにご飯を食べさせ、自身も手早く食べた伍は、デウスに歯磨きをさせ、デウスの自室で添い寝した。
 デウスは暴れていたが、子守唄を歌いながら胸元をトントンしてやると、すぐに寝入った。
 本当に疲れていたのだろう。

「ありがとうございます、伍様」

 洗濯した十歳児用の着替えをタンスに仕舞いながら、千代子が言った。

「どういうことなんですか、これは?」

 伍はデウスを起こさないよう気をつけながら、ベッドから出た。
 ふつふつとした怒りを抱えながら、千代子に問いかける。

「あのぅ……伍様、騙し討ちするような形になってしまったことについては、謝ります。ですが、もう五年もすれば坊っちゃんも体が追いついて――」
「そんなことを言っているのではありません……!」

 図らずも、大きな声が出てしまった。
 伍は慌ててデウスの寝顔を確認し、愛する人が気持ちよさそうに眠っているのを見て安心した。

「なぜ、若干十歳の旦那様が戦わなければならないのですか? こんな無理をさせてまで」

 気がつけば、伍は涙をこぼしていた。

(泣いては駄目よ、伍。泣きたいのはわたくしじゃなくて、旦那様のほうなのに)

「伍様は、どこまでも坊っちゃんのことを考えてくださっているのですね。本当なら、年齢を偽られていたことを怒ってもよいでしょうに」
「怒るだなんて。こんなにも頑張っておられるお方の、何を怒ればよいのですか? ……けれど、わたくしは今、怒っています。旦那様にこんなにも無理を強いている、千代子様、あなた方に対してです」
「話さなければなりませんね。阿ノ九多羅家の、ここ十年間について。ですが――」

 千代子が愛おしそうに、デウスの寝顔を見つめる。

「お話の続きは、下で行いましょう。坊っちゃんを起こすわけにはまいりませんから」

 千代子の表情と言葉に、嘘はない――そのことを見て取った伍は、少しだけ怒りを鎮めた。




   ◆   ◇   ◆   ◇