四季神家の【五】女は年下夢魔軍神に溺愛される

(いつつ)、今いいか?」

 軍議のあと、伍はデウスに呼び止められた。

(きっと、『大事な話』ね。もし、四季(しき)(じん)家に戻るよう言われたら……。怖い。逃げたい。けど)

 伍は勇気を振り絞って、振り返った。

「はい、大丈夫です」
「俺の部屋に行こう」
「……はい」

 伍は死刑宣告を待つような心地で、デウスの後ろを歩く。が、

「旅団長、少々お時間よろしいでしょうか?」

 道中で、デウスがベテラン将校に捕まった。

「……なんだ、今忙しいんだが」
「お取り込み中のところ、大変申し訳ございません。急ぎ、天使弾(ヱンジェルバレット)の追加出庫をご決済いただきたく」
「あぁ……今のは俺が悪かった。それは最優先事項だな。見せてくれ」
「ははっ」

 デウスが懐から万年筆を取り出し、書類を確認したのち署名した。

「今夜は大規模作戦になる。全将兵に十分な弾が行き渡るよう、しっかり準備してくれ」
「承知いたしましたっ」

「さぁ、伍」
「は、はい」

 二人は本棟の階段を降りていく。
 四階に差しかかったところで、

「旅団長、新たな伝令です!」

 三階では、

「中将閣下、ここにおられましたか。急ぎのご相談が――」

 二階で、

「旅団長――」

 一階で、

「旅団長。こちら、ご裁可賜りたく――」
  「中将閣下、出撃前の演説についてですが――」
    「旅団長――」
      「閣下――」

「……悪い、伍。自室で待っていてくれ」
「わ、分かりました」




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