四季神家の【五】女は年下夢魔軍神に溺愛される

「さて、今日のデヱトもクライマックスだ」
「くらいまっくす?」
「山場、大詰めという意味の言葉さ」
「ということはまさか、『くろわっさん』をも超える甘い物ですか!?」
「ふふっ。口がニヤけているぞ、(いつつ)
「そ、そのようなことは」

 デウスにヱスコートされながら、伍は口元をモニョモニョとさせる。

「ここだ。神戸風月堂」

 店に入ったとたん、伍は甘い香りに包まれた。

「うわぁ~っ」

 ショウウインドウに飾られている、色とりどりのケーキ。
 さらに、その隣で冷気を放っているのは、

「これが、アイスクリン。氷菓(ひょうか)だ」
「氷菓……氷のお菓子ですか?」
「そのとおり。――バニラアイスを一人分と、コーヒーを一つ頼む」

 注文のあと、二人は店内備え付けのテーブルへ案内された。
 ほどなくして、店員が注文の品を運んできた。

「食べてみろ」
「はいっ。――んんんっ!?」

 伍は仰天した。本当に、本当にクロワッサンの比ではなかったからだ。
 とんでもない量の甘みが伍の舌に襲いかかってきた。
 冷たいアイスクリンが伍の舌を刺激したあと、とろけて消えた。

「美味しいぃ~っ!」
「あっはっはっ。喜んでもらえて何よりだ」
「デウス様はお食べにならないので?」
「俺は男だからな。こっちのほうがいいんだ」

 そう言ってコーヒーをすするデウス。

「格好いいですねっ」
「そ、そうか? ふふん」




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