「涼太、どこへ行くの?」
僕は剣道部の部長である武井涼太の後を追いかけていた。涼太は部活が終わると部室を閉めて、校舎へは向かわずに校庭に向かってフラフラと歩き出した。
「……」
心配になった僕は、涼太の後を追いかけていった。涼太は中学の時からの知り合いで、高校の時に同じ部活に入ったのがキッカケで仲良くなった。
(このまま放っておけないな)
先週の県大会で僕たちが所属する剣道部は、隣の市にある青南高校に負け、全国大会へ出場する機会を逃してしまっていた。二年生の僕達にとっては最後の大会だった。試合で負けてしまったことを後悔しているのだろうと思っていたが、彼は校庭の隅へ行くと、転がっているバスケットボールを拾い、近くにあったバスケットゴールにシュートしていた。
「涼太、残念だったね」
「……うん」
準決勝で優勝した高校に当たってしまい、負けてしまったのだ。五人ずつの団体戦で二対二の引き分けまでもっていったものの、大将戦で涼太は負けていた。彼は何を思って試合にのぞみ、負けてた後に何を思ったのか……僕には分からなかった。
「かっこ悪かったでしょ?」
「そんなことはない。いつも通りの涼太で、カッコよかったよ」
僕がそう言うと、涼太の口角は少しだけ上がった。あまり喋らない涼太が、どう思っているのか判断するのは難しいが、僕には彼が喜んでいるのが分かった。優しい涼太と毎日一緒に稽古をするのは、楽しかった。
「来週までか」
「うん。来週、後輩たちの送別会に参加したら部活は引退だね。そしたら、受験勉強しないと」
「受験か……直樹は、どこ受けるか決まったの?」
「ううん、まだ。模試の結果見てからだけど、たぶん私立の文系を受けると思う」
「そっか」
「引退しても、たまに来て練習しようか。息抜きを兼ねて」
「後輩たちが、やりづらくないか?」
「練習見てあげればいいよ。僕と違って、涼太は後輩達から人気があるんだから」
「え?」
「しかも、この間は告白までされてたでしょ?」
「あれは……違うんだ。断ったし」
「へー、本命でもいるの?」
「まあね」
僕は剣道部の部長である武井涼太の後を追いかけていた。涼太は部活が終わると部室を閉めて、校舎へは向かわずに校庭に向かってフラフラと歩き出した。
「……」
心配になった僕は、涼太の後を追いかけていった。涼太は中学の時からの知り合いで、高校の時に同じ部活に入ったのがキッカケで仲良くなった。
(このまま放っておけないな)
先週の県大会で僕たちが所属する剣道部は、隣の市にある青南高校に負け、全国大会へ出場する機会を逃してしまっていた。二年生の僕達にとっては最後の大会だった。試合で負けてしまったことを後悔しているのだろうと思っていたが、彼は校庭の隅へ行くと、転がっているバスケットボールを拾い、近くにあったバスケットゴールにシュートしていた。
「涼太、残念だったね」
「……うん」
準決勝で優勝した高校に当たってしまい、負けてしまったのだ。五人ずつの団体戦で二対二の引き分けまでもっていったものの、大将戦で涼太は負けていた。彼は何を思って試合にのぞみ、負けてた後に何を思ったのか……僕には分からなかった。
「かっこ悪かったでしょ?」
「そんなことはない。いつも通りの涼太で、カッコよかったよ」
僕がそう言うと、涼太の口角は少しだけ上がった。あまり喋らない涼太が、どう思っているのか判断するのは難しいが、僕には彼が喜んでいるのが分かった。優しい涼太と毎日一緒に稽古をするのは、楽しかった。
「来週までか」
「うん。来週、後輩たちの送別会に参加したら部活は引退だね。そしたら、受験勉強しないと」
「受験か……直樹は、どこ受けるか決まったの?」
「ううん、まだ。模試の結果見てからだけど、たぶん私立の文系を受けると思う」
「そっか」
「引退しても、たまに来て練習しようか。息抜きを兼ねて」
「後輩たちが、やりづらくないか?」
「練習見てあげればいいよ。僕と違って、涼太は後輩達から人気があるんだから」
「え?」
「しかも、この間は告白までされてたでしょ?」
「あれは……違うんだ。断ったし」
「へー、本命でもいるの?」
「まあね」



