最近、クラスの女子が「小笠原くんなんかあった?」と聞いてくる。
「何もないよ……」僕は、半分上の空で返事を返した。
原因は、さっき西里が、集めたノートを重そうに持ってた日直の女子と代わり、一緒に職員室へ行ったからだ。この前は、クラスの男子に頼まれて引き受けていた。
西里は、お調子者といわれているけど、本当は誰にでも優しい。
分かってるけど……モヤモヤする……
*
お試し手作り弁当四日目____
この前、僕が保健室で変な事言ってしまってから、気まずい雰囲気になってどうしようかと思ってた。西里が、普通に話してくれてるからいいけど、本当はどう思ってるんだろう。
やらかしたな……泣きそう……
「はぁ……」
「小笠原?」
僕は、モヤモヤの根源に呼ばれて我に帰った。
「……なに?」
「なに? じゃねぇし……貴公子が憂いてるって騒いでんぞ」バラが飛んでると西里が手で払った。
「え? 虫が飛んでる!?」僕は、驚いて辺りをキョロキョロした。
「違う 違う……まあまあ、落ち着けって、で! 今日の弁当は?」西里は、両手を差し出しニッコリ笑う。
僕は、頷いて、鞄から西里用の弁当箱を机の上に取り出した。西里は、その弁当の蓋を開け、アスパラの豚肉巻きを箸で摘み食べた。
「うっま!」
最初は、これが嬉しかったのに____
僕と西里は『お試し手作り弁当』で繋がってるだけで、始まったのは西里の優しさからだ。後、三日でお試し期間が終わる。
西里は、僕の作った唐揚げを美味しそうに頬張ってご飯を口の中へ放り込んだ。
本当、美味しそうに食べてくれる……嬉しいのに切ない____
「俺……ずっと西里に弁当作りたいな……」
「え!? 何言ってんだよ!」
「……え!?」
僕……声に出してた!?
「俺は、ほら! お試しの約束だし…期間が終わったらさ、申し込んでくるやつ殺到するって! な!」西里は、弁当を平らげご馳走様と手を合わせた。
「……そうかな」
「 自信持てって!」
「西里は、ただの食いしん坊なだけだろ」僕が揶揄うと「食いしん坊なのは認める……けど! 小笠原が作る弁当、俺は好きだから!」西里は、屈託なく笑った。
僕が、作った弁当食べ欲しいのは西里だけだ____


