東条祭まであと9日(木曜日)
昨日は沢野からの言葉が拒絶のように感じられたが、だんだんとそのショックは薄れていた。薄れていたというか、薄れるようにしたというか。 とにかく俺が今一番に考えなければいけないのは、東条祭の劇のことだ。
沢野から聞いた旧部室に入るにはどうしたらいいだろうか。まず鍵を探すべきだろう。担任にたずねても期待する答えは返ってこなさそうなので、東条祭の取りまとめ役である山下先生に相談してみる。
山下先生は恰幅のいいベテラン女性教師だ。彼女はこの高校に来て長いらしいが、やっぱり演劇部のことはよくわからないらしい。ただ、旧部室は放置されているし何か使えるものがあれば使っていいのではないか、また今回のことは他の先生には自分から伝えておく、とのことだった。 鍵は職員室でいくつか管理しているものがあるので、それで入れるだろうと、親切にも昼休みに俺と一緒に旧部室まで来てくれた。
グラウンドを通って木々に囲まれた校舎裏へ回る。もうほとんど人も通らないのか、落ち葉が積もっていて、歩くたびに足が数センチ沈む。 ようやく旧部室へ辿り着き、先生が鍵束から数本試したあと、一本の小さな鍵を差し入れるとかちりと鍵が回った。
「これだったみたいね」
「ありがとうございます」
俺は丁寧に頭を下げる。
「この中をゆっくり見たいので、このままもうしばらく鍵をあけてもらっててもいいですか?」
「そうね……東条祭の準備で使うんでしょ?夜は先生帰っちゃうし、鍵を預けとこうか?」
「いいんですか?」
「どうせ盗るようなもんもないでしょうし、黒崎くんを信用して預ける。用が済んだらきちんと返してね」
山下先生は大きな体を揺らしながら笑った。俺はまた丁寧に頭を下げる。顔を上げると、そんな俺にはもう興味がないようで、彼女は後ろ手に手を振りながら去っていった。
俺は一歩、部屋の中に入る。 長いこと使われていないはずのそこは、意外にもきれいだった。天井にあったはずの蛍光灯は外されているが、窓から差す昼の日差しで部屋の中は明るい。
大道具が並び、壁際には古びた衣装ラックが残されていた。奥には木製の背景パネルまで積み上げられている。棚の中には演劇コンクールの賞状やパンフレットが残され、小道具などもそこに保管されていた。古いブラウン管テレビとDVDデッキ、おそらく自分たちの劇を記録したであろう大量のDVDまであった。円盤には直接マジックで演目が書かれている。
俺はケースに入ったDVDを、一枚一枚見ていく。
「あった」
『ロミオとジュリエット』と書かれたディスク。
古典劇の名前が多数並んでいたのであると思った。 俺はダメもとでDVDデッキをコンセントに繋ぐ。電源がついた。テレビのコンセントも繋ぐ。どうやらまだ電気は通っているらしい。
はやる気持ちを抑えながらDVDを挿入する。テレビ画面がぱっと変わった。ゆらゆらと揺れる映像。ざわざわとした人の声。素人が撮影していることがわかる。
(ここはうちの体育館だ)
ブザーが鳴り、電気が消えて真っ暗になる。 画面の中では昔の生徒たちが舞台に立っていた。スポットライトを浴び、真剣な表情で台詞を叫ぶ。観客席から拍手が起こる。そこには、今の俺たちにはない熱量があった。
そして不思議なことに、その映像を見た瞬間、俺は確信した。
(――ここから挽回できる)
その日の放課後。残ってくれるメンバーだけを集めて、例の旧部室に向かった。できれば田中、那須、吉川には来てほしいと思っていたので、彼らが来てくれるとわかった時は嬉しかった。
足元の悪い道を、数十人のクラスメイトを引き連れて旧部室を目指す。 後ろからは「なんでこんな道を歩かされてるんだ」と文句に近い声が飛んでくる。そんな声を背に、ようやく俺は足を止めた。
「うちの高校にあった演劇部はもう廃部になったんだけど。ここ、その演劇部の部室だったんだって」
俺は旧部室のドアを嬉々として開ける。
錆びたドアの軋む音。暗い校舎裏にある放置された建物。外観を見た時には皆一様に怪訝な顔をしていたが、俺がいつになく興奮した様子で手招きすると、その表情は次第に好奇心へと変わっていく。 後ろでだらだらと歩いていたクラスメイトも、小走りに駆け寄ってきた。
そして、旧部室の中を見渡した生徒たちから感嘆の声が漏れる。さっきまで死んだような顔をしていたクラスメイトたちが、一瞬で目を輝かせ始める。部室の中はあっという間に騒がしくなった。この部屋が長い眠りから目を覚ましたみたいにぱっと明るくなった気がした。日が翳り始め、室内が暗くなっていたことを差し引いても。
「すごい!」
一番最初に声を上げたのは吉川だった。
室内をぐるっと見渡し、「すごすぎて笑っちゃう」と言って笑い始める。それにつられて、しげしげと室内を見回していた生徒たちも、
「ほんとにすごい」
「これ、私たちが使っていいの?」
と口々に話し始めた。
俺がこの部屋を見た時に感じた「ここから挽回できるかもしれない」という思いは、皆も同じだったようだ。
「田中ちゃん!」
吉川が列の一番後ろから来ていた田中を手招きする。それでもゆっくり歩いてくる彼女を、じれったそうに迎えに行った吉川は、半ば強引に腕を引っぱって衣装ラックのところまで連れていく。
「これ!これ絶対田中ちゃんにぴったり!ジュリエットっぽいし!」
吉川は、いくつもある衣装の中から薄いピンクにパールの飾りがついたドレスを取り出し、田中の体に合わせる。田中は戸惑ったように周りの反応を見る。
「そ、そうかな?」
周りの生徒たちも「似合う似合う」と頷く。田中は照れたように俯いた。吉川は満足そうに笑う。
そして吉川は目線を舞台セットが集まっている方へやると、そちらへ走っていき、ひとつのアイテムを手に取った。
「黒崎!あんたの苦労は無駄に終わった!」
急に矛先が俺に向く。
「なんだよ、急に」
「ほら、見てみな」
吉川の差し出した手を見る。短剣を握っている。そして彼女はその刃先に手を当てて押し込むと、刃の部分が柄の中に収まった。そういうしかけらしい。
「黒崎が苦労して紙粘土で短剣作ってくれてたけど、もういらないです」
「ああ、それはよかったね」
俺が呆れたように言うのが面白かったのか、吉川がぎゃははと笑う。もう彼女のテンションにはついていけない。
「吉川!見てこれ!」
別の生徒から呼ばれ、俺はもう用無しとばかりに背を向けられる。そして、吉川が向かった先で彼女の叫ぶ声が聞こえる。
「スポットライトじゃん!」
そこには、人ひとりがやっと抱えられる程度の大きさのスポットライトがあった。彼女が一番欲しがっていたものだ。しかもぱっと見えるだけで二個もある。
使えるかどうか試さなきゃ、と話す彼女たちの隙間から那須の顔が見える。
「那須!」
いつもうるさい那須が、黙ったまま部室の隅々まで見ている。俺の声かけにも最初は気づかなかったようで、二回呼んでやっとこちらを見た。
「何?」
「こっち来いよ」
俺はテレビとデッキの電源を入れる。
「お前、お手本の劇を見たいって言ってたよな?」
「ああ……まあ……」
「これ見てみろよ」
映像が流れる。音に気づいて、みんなが集まってくる。
「……すご」
誰かが呟く。
俺が昼間に見た。演劇部のロミオとジュリエットだ。クラス全員が自然と画面に見入っていた。静まり返る部室。その熱量に、誰もが圧倒されていた。
「……なんか、すげぇな」
ぽつりと誰かが言う。
「ちゃんとやりたくなってきた」
その言葉に、何人も頷く。空気が変わっていくのがわかった。疲労と諦めで沈んでいたクラスが、少しずつ熱を取り戻していく。
部室の中に次々と声が飛び交う。
やっと前に進める。そんな気がした。
ふと気づくと、外も部室も真っ暗だった。テレビの画面の明かりだけが、かろうじて辺りを照らしている。ポケットに入れていたスマホを見ると、もう午後七時を過ぎていた。
俺はいまだにテレビに釘付けのクラスメイトたちを見回して声をかける。
「結構暗くなってきたし、この先はまた明日観ない?」
俺の提案に、クラスメイトたちもやっと暗くなったことに気づいたようで頷いた。
「俺、ポータブルDVDプレイヤー持ってるから明日持ってくるよ。また教室で見よう」
俺のその一言に納得したようで、クラスメイトたちはぞろぞろと部室を出ていく。
外へ出ると真っ暗だった。二階の教室から漏れてくる灯りのおかげで、なんとかグラウンドまで辿り着いた。
俺はみんなの一番後ろから歩く。
ふと上を見上げる。理科準備室の窓を探す。月の光が差している。
(沢野……いる?)
心の中で問いかける。
カーテンが少し揺れた気がした。俺を見て、いつもみたいに柔らかい笑顔を浮かべている沢野の顔があった気がした。
でも、目を凝らせば凝らすほど、カーテンは揺れていなかったし、そこに人影などなかった。
「黒崎ー!」
クラスメイトの声が飛ぶ。
「みんなと来ないと危ないぞ!」
「ああ、今行く!」
俺は慌ててそちらへ向かった。
(これでいいのか?沢野とはこれで終わりなのか?)
教室へ向かうクラスメイトたちの声には、再び活気が満ちていた。笑い声。相談する声。舞台への期待。
多分、俺だけが別のことを考えていた。
昨日は沢野からの言葉が拒絶のように感じられたが、だんだんとそのショックは薄れていた。薄れていたというか、薄れるようにしたというか。 とにかく俺が今一番に考えなければいけないのは、東条祭の劇のことだ。
沢野から聞いた旧部室に入るにはどうしたらいいだろうか。まず鍵を探すべきだろう。担任にたずねても期待する答えは返ってこなさそうなので、東条祭の取りまとめ役である山下先生に相談してみる。
山下先生は恰幅のいいベテラン女性教師だ。彼女はこの高校に来て長いらしいが、やっぱり演劇部のことはよくわからないらしい。ただ、旧部室は放置されているし何か使えるものがあれば使っていいのではないか、また今回のことは他の先生には自分から伝えておく、とのことだった。 鍵は職員室でいくつか管理しているものがあるので、それで入れるだろうと、親切にも昼休みに俺と一緒に旧部室まで来てくれた。
グラウンドを通って木々に囲まれた校舎裏へ回る。もうほとんど人も通らないのか、落ち葉が積もっていて、歩くたびに足が数センチ沈む。 ようやく旧部室へ辿り着き、先生が鍵束から数本試したあと、一本の小さな鍵を差し入れるとかちりと鍵が回った。
「これだったみたいね」
「ありがとうございます」
俺は丁寧に頭を下げる。
「この中をゆっくり見たいので、このままもうしばらく鍵をあけてもらっててもいいですか?」
「そうね……東条祭の準備で使うんでしょ?夜は先生帰っちゃうし、鍵を預けとこうか?」
「いいんですか?」
「どうせ盗るようなもんもないでしょうし、黒崎くんを信用して預ける。用が済んだらきちんと返してね」
山下先生は大きな体を揺らしながら笑った。俺はまた丁寧に頭を下げる。顔を上げると、そんな俺にはもう興味がないようで、彼女は後ろ手に手を振りながら去っていった。
俺は一歩、部屋の中に入る。 長いこと使われていないはずのそこは、意外にもきれいだった。天井にあったはずの蛍光灯は外されているが、窓から差す昼の日差しで部屋の中は明るい。
大道具が並び、壁際には古びた衣装ラックが残されていた。奥には木製の背景パネルまで積み上げられている。棚の中には演劇コンクールの賞状やパンフレットが残され、小道具などもそこに保管されていた。古いブラウン管テレビとDVDデッキ、おそらく自分たちの劇を記録したであろう大量のDVDまであった。円盤には直接マジックで演目が書かれている。
俺はケースに入ったDVDを、一枚一枚見ていく。
「あった」
『ロミオとジュリエット』と書かれたディスク。
古典劇の名前が多数並んでいたのであると思った。 俺はダメもとでDVDデッキをコンセントに繋ぐ。電源がついた。テレビのコンセントも繋ぐ。どうやらまだ電気は通っているらしい。
はやる気持ちを抑えながらDVDを挿入する。テレビ画面がぱっと変わった。ゆらゆらと揺れる映像。ざわざわとした人の声。素人が撮影していることがわかる。
(ここはうちの体育館だ)
ブザーが鳴り、電気が消えて真っ暗になる。 画面の中では昔の生徒たちが舞台に立っていた。スポットライトを浴び、真剣な表情で台詞を叫ぶ。観客席から拍手が起こる。そこには、今の俺たちにはない熱量があった。
そして不思議なことに、その映像を見た瞬間、俺は確信した。
(――ここから挽回できる)
その日の放課後。残ってくれるメンバーだけを集めて、例の旧部室に向かった。できれば田中、那須、吉川には来てほしいと思っていたので、彼らが来てくれるとわかった時は嬉しかった。
足元の悪い道を、数十人のクラスメイトを引き連れて旧部室を目指す。 後ろからは「なんでこんな道を歩かされてるんだ」と文句に近い声が飛んでくる。そんな声を背に、ようやく俺は足を止めた。
「うちの高校にあった演劇部はもう廃部になったんだけど。ここ、その演劇部の部室だったんだって」
俺は旧部室のドアを嬉々として開ける。
錆びたドアの軋む音。暗い校舎裏にある放置された建物。外観を見た時には皆一様に怪訝な顔をしていたが、俺がいつになく興奮した様子で手招きすると、その表情は次第に好奇心へと変わっていく。 後ろでだらだらと歩いていたクラスメイトも、小走りに駆け寄ってきた。
そして、旧部室の中を見渡した生徒たちから感嘆の声が漏れる。さっきまで死んだような顔をしていたクラスメイトたちが、一瞬で目を輝かせ始める。部室の中はあっという間に騒がしくなった。この部屋が長い眠りから目を覚ましたみたいにぱっと明るくなった気がした。日が翳り始め、室内が暗くなっていたことを差し引いても。
「すごい!」
一番最初に声を上げたのは吉川だった。
室内をぐるっと見渡し、「すごすぎて笑っちゃう」と言って笑い始める。それにつられて、しげしげと室内を見回していた生徒たちも、
「ほんとにすごい」
「これ、私たちが使っていいの?」
と口々に話し始めた。
俺がこの部屋を見た時に感じた「ここから挽回できるかもしれない」という思いは、皆も同じだったようだ。
「田中ちゃん!」
吉川が列の一番後ろから来ていた田中を手招きする。それでもゆっくり歩いてくる彼女を、じれったそうに迎えに行った吉川は、半ば強引に腕を引っぱって衣装ラックのところまで連れていく。
「これ!これ絶対田中ちゃんにぴったり!ジュリエットっぽいし!」
吉川は、いくつもある衣装の中から薄いピンクにパールの飾りがついたドレスを取り出し、田中の体に合わせる。田中は戸惑ったように周りの反応を見る。
「そ、そうかな?」
周りの生徒たちも「似合う似合う」と頷く。田中は照れたように俯いた。吉川は満足そうに笑う。
そして吉川は目線を舞台セットが集まっている方へやると、そちらへ走っていき、ひとつのアイテムを手に取った。
「黒崎!あんたの苦労は無駄に終わった!」
急に矛先が俺に向く。
「なんだよ、急に」
「ほら、見てみな」
吉川の差し出した手を見る。短剣を握っている。そして彼女はその刃先に手を当てて押し込むと、刃の部分が柄の中に収まった。そういうしかけらしい。
「黒崎が苦労して紙粘土で短剣作ってくれてたけど、もういらないです」
「ああ、それはよかったね」
俺が呆れたように言うのが面白かったのか、吉川がぎゃははと笑う。もう彼女のテンションにはついていけない。
「吉川!見てこれ!」
別の生徒から呼ばれ、俺はもう用無しとばかりに背を向けられる。そして、吉川が向かった先で彼女の叫ぶ声が聞こえる。
「スポットライトじゃん!」
そこには、人ひとりがやっと抱えられる程度の大きさのスポットライトがあった。彼女が一番欲しがっていたものだ。しかもぱっと見えるだけで二個もある。
使えるかどうか試さなきゃ、と話す彼女たちの隙間から那須の顔が見える。
「那須!」
いつもうるさい那須が、黙ったまま部室の隅々まで見ている。俺の声かけにも最初は気づかなかったようで、二回呼んでやっとこちらを見た。
「何?」
「こっち来いよ」
俺はテレビとデッキの電源を入れる。
「お前、お手本の劇を見たいって言ってたよな?」
「ああ……まあ……」
「これ見てみろよ」
映像が流れる。音に気づいて、みんなが集まってくる。
「……すご」
誰かが呟く。
俺が昼間に見た。演劇部のロミオとジュリエットだ。クラス全員が自然と画面に見入っていた。静まり返る部室。その熱量に、誰もが圧倒されていた。
「……なんか、すげぇな」
ぽつりと誰かが言う。
「ちゃんとやりたくなってきた」
その言葉に、何人も頷く。空気が変わっていくのがわかった。疲労と諦めで沈んでいたクラスが、少しずつ熱を取り戻していく。
部室の中に次々と声が飛び交う。
やっと前に進める。そんな気がした。
ふと気づくと、外も部室も真っ暗だった。テレビの画面の明かりだけが、かろうじて辺りを照らしている。ポケットに入れていたスマホを見ると、もう午後七時を過ぎていた。
俺はいまだにテレビに釘付けのクラスメイトたちを見回して声をかける。
「結構暗くなってきたし、この先はまた明日観ない?」
俺の提案に、クラスメイトたちもやっと暗くなったことに気づいたようで頷いた。
「俺、ポータブルDVDプレイヤー持ってるから明日持ってくるよ。また教室で見よう」
俺のその一言に納得したようで、クラスメイトたちはぞろぞろと部室を出ていく。
外へ出ると真っ暗だった。二階の教室から漏れてくる灯りのおかげで、なんとかグラウンドまで辿り着いた。
俺はみんなの一番後ろから歩く。
ふと上を見上げる。理科準備室の窓を探す。月の光が差している。
(沢野……いる?)
心の中で問いかける。
カーテンが少し揺れた気がした。俺を見て、いつもみたいに柔らかい笑顔を浮かべている沢野の顔があった気がした。
でも、目を凝らせば凝らすほど、カーテンは揺れていなかったし、そこに人影などなかった。
「黒崎ー!」
クラスメイトの声が飛ぶ。
「みんなと来ないと危ないぞ!」
「ああ、今行く!」
俺は慌ててそちらへ向かった。
(これでいいのか?沢野とはこれで終わりなのか?)
教室へ向かうクラスメイトたちの声には、再び活気が満ちていた。笑い声。相談する声。舞台への期待。
多分、俺だけが別のことを考えていた。
