21室井綾人
森の中を走っていた。後ろから追いかけてくるのは、クラスメイトの斉藤だ。カン、と銃声が森に響いた。ぬかるみに足を取られて、草木の生えた地面に突っ伏す。僕は急いで体を起こして、行こうとするけれど、今度は別方向から襲撃された。
カン
「うっ……」
カン
「あ、うっ……」
仰向けに倒れた。視界いっぱいに青空が広がる。全身が痛い。体中から血液が抜けていく。複数人の足音が近づいてきて、鼓動が早くなる。
「先生、人間の数は?」
『10、3時、40、6分現在、人間、の、数は、1人、です』
呼吸が荒くなる。
青空を、3人のクラスメイトが塞いだ。
「やっと終わるな」
斉藤が言った。
「本当……長かったわ……」
斉藤の彼女、真鍋がため息まじりに言った。
「まさかこいつが残るとはな」
安田が、銃口を僕の額に向けた。
「やめろ……」
僕は声を振り絞った。
「ロボットのくせにっ……お前らっ……ロボットのくせにっ……」
3人は顔を見合わせ、はははっ、と弾けるように笑った。
「俺たちさ、『どういうことか』考えたんだ」
斉藤が言った。
「……?」
「俺たちは何者なのか。どうして俺たちには、子供の頃の記憶があるのか」
「そんなのっ……プログラムされたんだろっ! お前らの人生はっ……全部そういうプログラムでっ」
カン
「っ……いっ」
太ももを撃ち抜かれた。鋭い痛みに身悶える。
「俺たちは生きていたんだ」
「でも、死んだ」
安田が付け足した。
「卒業試験で負けたんだ」
「お前も俺たちと同じ運命を辿るんだ。ここで死んで、ロボットとして生まれ変わる」
「っ……バカな……」
そんなこと、できるわけがない。死んだら終わりだ。僕そっくりの容器ができたとしても、この感情は僕のもので、思考は誰にも奪われない。
「じゃあ、答え合わせだ」
カン
目覚めたら、びっしょりと汗をかいていた。
「なんだ……夢か……」
ホッとしたのも束の間だった。
「蓮……?」
蓮がいない。ふと、それまでなかったホワイトボードが目に入った。隣の用具入れから運んだのかと考えて……ここが用具入れなのだと気づいた。僕自身が移動したのだ。
ホワイトボードには蓮の字で、
『ここにいれば大丈夫。俺が戻るまでここにいて』
と書かれていた。
森の中を走っていた。後ろから追いかけてくるのは、クラスメイトの斉藤だ。カン、と銃声が森に響いた。ぬかるみに足を取られて、草木の生えた地面に突っ伏す。僕は急いで体を起こして、行こうとするけれど、今度は別方向から襲撃された。
カン
「うっ……」
カン
「あ、うっ……」
仰向けに倒れた。視界いっぱいに青空が広がる。全身が痛い。体中から血液が抜けていく。複数人の足音が近づいてきて、鼓動が早くなる。
「先生、人間の数は?」
『10、3時、40、6分現在、人間、の、数は、1人、です』
呼吸が荒くなる。
青空を、3人のクラスメイトが塞いだ。
「やっと終わるな」
斉藤が言った。
「本当……長かったわ……」
斉藤の彼女、真鍋がため息まじりに言った。
「まさかこいつが残るとはな」
安田が、銃口を僕の額に向けた。
「やめろ……」
僕は声を振り絞った。
「ロボットのくせにっ……お前らっ……ロボットのくせにっ……」
3人は顔を見合わせ、はははっ、と弾けるように笑った。
「俺たちさ、『どういうことか』考えたんだ」
斉藤が言った。
「……?」
「俺たちは何者なのか。どうして俺たちには、子供の頃の記憶があるのか」
「そんなのっ……プログラムされたんだろっ! お前らの人生はっ……全部そういうプログラムでっ」
カン
「っ……いっ」
太ももを撃ち抜かれた。鋭い痛みに身悶える。
「俺たちは生きていたんだ」
「でも、死んだ」
安田が付け足した。
「卒業試験で負けたんだ」
「お前も俺たちと同じ運命を辿るんだ。ここで死んで、ロボットとして生まれ変わる」
「っ……バカな……」
そんなこと、できるわけがない。死んだら終わりだ。僕そっくりの容器ができたとしても、この感情は僕のもので、思考は誰にも奪われない。
「じゃあ、答え合わせだ」
カン
目覚めたら、びっしょりと汗をかいていた。
「なんだ……夢か……」
ホッとしたのも束の間だった。
「蓮……?」
蓮がいない。ふと、それまでなかったホワイトボードが目に入った。隣の用具入れから運んだのかと考えて……ここが用具入れなのだと気づいた。僕自身が移動したのだ。
ホワイトボードには蓮の字で、
『ここにいれば大丈夫。俺が戻るまでここにいて』
と書かれていた。


