ここは、英雄アカデミーの教室内。
「いいですか?――あなたは、このヘンリー国王陛下の孫なのです!――いくら殴られたからと言って、あのような者など、絶対に相手してはいけませんよ?」
メガネをかけた男が、ヘンリー国王の孫と呼んでいる、男の子にお説教をしている。
ガレス・ボーマン近衛兵。(メガネをかけた男)
近衛兵の中でもエリートで、ヘンリー国王陛下の親衛隊の一人で、ヘンリー国王陛下の孫のお目付け役も担っている。
英雄アカデミーの教師である、ニール・ガウェインと、実の兄弟で弟だが、ボーマン家に婿養子になった為、この名前になった。
怒られている、男の子が無言でそっぽを向く。
「あんなのを相手にしても、ろくな事になりません!――このエリート教師のガレスの言う事に間違いはありません!――殿下は、5代目勇者になりたいのでしょう?――この私が魔法を教えれば、勇者を名乗るなど簡単!――そう、私に教えを乞う事こそが、5代目勇者への近道なのです!――分かりましたね?殿下?」
しかしそこに、殿下こと、ヘンリー国王陛下の孫は居なかった。
「ん?――え?え?え?――って、居ねぇじゃん!」
「どうやら、勇樹の後を付けて行ったようじゃ」
「なんと!?――それは一大事!」
ヘンリー国王が、ガレス近衛兵に、孫が勇樹の後を追って出ていった事を伝えた。
それを聞いた、ガレス近衛兵は――大慌てで――英雄アカデミーの教室から出て行って、ヘンリー国王陛下の孫を追いかけた。
「(ふー、なんであんな風に育ってしまったんじゃ?)」
ヘンリー国王が、やれやれと思いながら、ガレス近衛兵の後を見送る。
机に両手を組んで、口元と顎に当てて。
「(今ので、本日――30回目の奇襲じゃったかな?――勇樹と一緒に居るとなると、余計心配じゃな…、あやつにアホな事を吹き込まれなければよいのじゃが…)」
目を閉じながら、そう心の中で思う、ヘンリー国王。
~英雄都市ヴィクトリアマジェスティの市民街~
向こうから、一人で歩いて来る勇樹。
両手をポケットに手を入れている。
その背後から、バレないように尾行する、幼い男の子が居た。
「ん?――」
背後の気配に気付いた、勇樹は、後ろを振り返る。
幼い男の子は、勇樹にバレそうになって、木の上に急いで登って隠れた。
近くの木が不自然に揺れて、木の枝や葉っぱがたくさん落ちてきた。
「うーん…、うーん…」
勇樹が、頭に手を当てて考えている。
だが、気にせずにそのまま、歩き始めた。
バレなかったと思った、幼い男の子が、木から降りて、再び勇樹の尾行を再開した。
抜き足差し足忍び足で、勇樹の背後から、幼い男の子が歩いて、付いて行く。
「くぅぅ…、付いて来んな!」
再び勇樹にバレそうになって、今度は、近くの噴水の中に飛び込む。
ボチャン。
勇樹は、後ろから付いて来た、幼い男の子に向かって、さすがに怒る。
やはり、下手な尾行はバレていた。
「何なんだよー!?」
噴水から激しい水飛沫が飛んでいた。
しかし、噴水は浅瀬で、完全には隠れられず、幼い男の子のズボンのお尻と衣服が丸見えだった。
「だから、バレバレだっつーの!」
「フフフ、よくぞ見破ったな?――さすが噂通りの男!――俺、お前の弟子になってやってもいいぜ!」
噴水から、幼い男の子が笑って――びしょびしょに濡れたまま、ずいずいと迫って来て、勇樹を指さしながら、そう言い放つ。
「え!?」
「その代わり――国王のじいさんを倒した、セクシーキッスという魔法を教えて欲しいぜ!」
「冗談じゃない!」
「そんな事言わずに頼む、師匠!」
「ん?――師匠?」
「師匠~、師匠~、師匠~!」
「仕方ねぇな~」
幼い男の子が、勇樹に、セクシーキッスという魔法を教えて欲しいと、弟子入りを申し出た。
当の勇樹は、一度は拒否するが、
男の子からの「師匠」という言葉に揺れて、何度も呼んで来るので、弟子入りを渋々、許可する。
---
「いいか?――魔法を使いこなすには、魔旅行を上手く操らなければダメなんだぞ?」
「魔旅行?――」
幼い男の子の頭の中には、魔法のじゅうたんで旅行に行く姿が出て来た。
「そう、魔旅行だ!」
「師匠?――それを言うなら、魔力だぞ?」
「え!?――う、うるさい!――出来る英雄はそう呼ぶの!」
「え?――そうだったんだのか!?」
「(ふー、アホで良かった~)」
勇樹が魔法の使い方と、それに必要な事について、幼い男の子に教えていた。
しかし、魔力のことを魔旅行だと言い間違いをしていたので、その事を男の子に突っ込みを入れられた。
勇樹は、間違えたと思ったが、そのまま優秀な英雄はそう呼ぶと、誤魔化して押し通した。
幼い男の子は、真に受けて、勇樹の言葉を信じてしまった。
「いいか?――魔力っていうのはな?」
「簡単に言うと、魔法を使う時に必要なエネルギーの事だよ!」
「ん?」
「つまり、魔法っていうのは、体の中に元々ある、身体エネルギーと、修行や経験で得られる経験エネルギーの2つを合わせて、詠唱や杖なんかを介して…、こうやって発動させるんだぜ?」
「って、知ったかぶりして、魔導書、読むな~!!」
勇樹は、改めて魔力の事について、話そうとする。
しかし、すぐさま、幼い男の子が話の腰を折って、淡々と説明を話し始めた。
かなり詳細に、分かりやすく説明をしたかと思いきや、知ったかぶりをして、魔導書を開いて、カンニングしていた。
勇樹が、素早い突っ込みを入れる。
こうして剣崎勇樹に、小さな弟子?が出来た。
「いいですか?――あなたは、このヘンリー国王陛下の孫なのです!――いくら殴られたからと言って、あのような者など、絶対に相手してはいけませんよ?」
メガネをかけた男が、ヘンリー国王の孫と呼んでいる、男の子にお説教をしている。
ガレス・ボーマン近衛兵。(メガネをかけた男)
近衛兵の中でもエリートで、ヘンリー国王陛下の親衛隊の一人で、ヘンリー国王陛下の孫のお目付け役も担っている。
英雄アカデミーの教師である、ニール・ガウェインと、実の兄弟で弟だが、ボーマン家に婿養子になった為、この名前になった。
怒られている、男の子が無言でそっぽを向く。
「あんなのを相手にしても、ろくな事になりません!――このエリート教師のガレスの言う事に間違いはありません!――殿下は、5代目勇者になりたいのでしょう?――この私が魔法を教えれば、勇者を名乗るなど簡単!――そう、私に教えを乞う事こそが、5代目勇者への近道なのです!――分かりましたね?殿下?」
しかしそこに、殿下こと、ヘンリー国王陛下の孫は居なかった。
「ん?――え?え?え?――って、居ねぇじゃん!」
「どうやら、勇樹の後を付けて行ったようじゃ」
「なんと!?――それは一大事!」
ヘンリー国王が、ガレス近衛兵に、孫が勇樹の後を追って出ていった事を伝えた。
それを聞いた、ガレス近衛兵は――大慌てで――英雄アカデミーの教室から出て行って、ヘンリー国王陛下の孫を追いかけた。
「(ふー、なんであんな風に育ってしまったんじゃ?)」
ヘンリー国王が、やれやれと思いながら、ガレス近衛兵の後を見送る。
机に両手を組んで、口元と顎に当てて。
「(今ので、本日――30回目の奇襲じゃったかな?――勇樹と一緒に居るとなると、余計心配じゃな…、あやつにアホな事を吹き込まれなければよいのじゃが…)」
目を閉じながら、そう心の中で思う、ヘンリー国王。
~英雄都市ヴィクトリアマジェスティの市民街~
向こうから、一人で歩いて来る勇樹。
両手をポケットに手を入れている。
その背後から、バレないように尾行する、幼い男の子が居た。
「ん?――」
背後の気配に気付いた、勇樹は、後ろを振り返る。
幼い男の子は、勇樹にバレそうになって、木の上に急いで登って隠れた。
近くの木が不自然に揺れて、木の枝や葉っぱがたくさん落ちてきた。
「うーん…、うーん…」
勇樹が、頭に手を当てて考えている。
だが、気にせずにそのまま、歩き始めた。
バレなかったと思った、幼い男の子が、木から降りて、再び勇樹の尾行を再開した。
抜き足差し足忍び足で、勇樹の背後から、幼い男の子が歩いて、付いて行く。
「くぅぅ…、付いて来んな!」
再び勇樹にバレそうになって、今度は、近くの噴水の中に飛び込む。
ボチャン。
勇樹は、後ろから付いて来た、幼い男の子に向かって、さすがに怒る。
やはり、下手な尾行はバレていた。
「何なんだよー!?」
噴水から激しい水飛沫が飛んでいた。
しかし、噴水は浅瀬で、完全には隠れられず、幼い男の子のズボンのお尻と衣服が丸見えだった。
「だから、バレバレだっつーの!」
「フフフ、よくぞ見破ったな?――さすが噂通りの男!――俺、お前の弟子になってやってもいいぜ!」
噴水から、幼い男の子が笑って――びしょびしょに濡れたまま、ずいずいと迫って来て、勇樹を指さしながら、そう言い放つ。
「え!?」
「その代わり――国王のじいさんを倒した、セクシーキッスという魔法を教えて欲しいぜ!」
「冗談じゃない!」
「そんな事言わずに頼む、師匠!」
「ん?――師匠?」
「師匠~、師匠~、師匠~!」
「仕方ねぇな~」
幼い男の子が、勇樹に、セクシーキッスという魔法を教えて欲しいと、弟子入りを申し出た。
当の勇樹は、一度は拒否するが、
男の子からの「師匠」という言葉に揺れて、何度も呼んで来るので、弟子入りを渋々、許可する。
---
「いいか?――魔法を使いこなすには、魔旅行を上手く操らなければダメなんだぞ?」
「魔旅行?――」
幼い男の子の頭の中には、魔法のじゅうたんで旅行に行く姿が出て来た。
「そう、魔旅行だ!」
「師匠?――それを言うなら、魔力だぞ?」
「え!?――う、うるさい!――出来る英雄はそう呼ぶの!」
「え?――そうだったんだのか!?」
「(ふー、アホで良かった~)」
勇樹が魔法の使い方と、それに必要な事について、幼い男の子に教えていた。
しかし、魔力のことを魔旅行だと言い間違いをしていたので、その事を男の子に突っ込みを入れられた。
勇樹は、間違えたと思ったが、そのまま優秀な英雄はそう呼ぶと、誤魔化して押し通した。
幼い男の子は、真に受けて、勇樹の言葉を信じてしまった。
「いいか?――魔力っていうのはな?」
「簡単に言うと、魔法を使う時に必要なエネルギーの事だよ!」
「ん?」
「つまり、魔法っていうのは、体の中に元々ある、身体エネルギーと、修行や経験で得られる経験エネルギーの2つを合わせて、詠唱や杖なんかを介して…、こうやって発動させるんだぜ?」
「って、知ったかぶりして、魔導書、読むな~!!」
勇樹は、改めて魔力の事について、話そうとする。
しかし、すぐさま、幼い男の子が話の腰を折って、淡々と説明を話し始めた。
かなり詳細に、分かりやすく説明をしたかと思いきや、知ったかぶりをして、魔導書を開いて、カンニングしていた。
勇樹が、素早い突っ込みを入れる。
こうして剣崎勇樹に、小さな弟子?が出来た。

