~語り~
遠い昔、魔王の作りし獣現れ、一度(ひとたび)その力振るえば、街を焼き、空を裂き、大地を砕き、木々は枯れ、海は荒れ、人々に深き哀しみ与えた。
これに対して人々は、各地から、魔法、武術、剣術に優れた者達を集め、応戦し。
「勇者様が来るまで足止めを掛けろ!」
「これ以上民の居る王国に近付けるな!」
戦いに優れた者達が力を合わせて、戦う相手は、世界を終焉(しゅうえん)に導く、魔王獣(まおうじゅう)10体の内の1体、黒竜ブラックドラゴン。
勇者が来るまでの間、足止めをする為に、己の鍛えし武や才を振るうが、黒竜には傷一つ付かない。
そこへ現れるは、僅(わず)か一人の勇敢な戦士の者、己の命を掛けて封印に成功するが、その勇敢な戦士は命尽きる。
その勇敢な戦士の名を『勇者』と呼ぶ。
~~~~~~~◇『Re:BRAVE・ZERO』◇~~~~~~~
「だーはっはっは!えへへー!」
「コラー!待て勇樹(ゆうき)!何て事をしたんだ!」
「今日という今日は、絶対許さんぞー!!」
10歳の男の子が、ペンキの入ったバケツと刷毛(はけ)を持って全力で男性二人に追い掛け回されている。
布の半袖に、布のパーカーの様な上着とスレッドパンツの様な布のズボンを履いて、皮のサンダルを履く。
男の子を追い掛けるのは、この国『英雄都市、ヴィクトリアマジェスティ』の近衛兵の二人組。
全力で男の子を追い掛け回している。
「はっはっはーうるせーんだよ!」
「勤勉なお前らにあんな真似が出来るかよ?――だけど俺には出来る!――俺は凄いんだ!」
彼の名前は勇樹(ゆうき)、剣崎勇樹(けんざきゆうき)。
イタズラ好きな10歳の男の子で、よく街の大人達や近衛兵にちょっかいやからかったりしている、ヤンチャ小僧だ。
今回のイタズラは、この国を救ったという伝説の勇者の像に、ペンキや泥をベタ塗りをして汚したのだった。
「大変でございます、国王陛下!」
「国王様!」
「何だ?騒々しい――また勇樹(ゆうき)のヤツが何か仕出かしでもしたか?」
ここは『英雄都市の王宮、ヴィクトリアキャッスル』、この国を治める国王陛下、ヘンリー・ド・ジネイド3世は平和と平等と民の安全を第一にとする。
この国にには、人間の他に、獣人、ドワーフ、エルフ、ドラゴニュート等の様々な種族の垣根を越えて仲良く暮らしている。
もちろん、国民や貴族や王族だろうと皆平等に接する事を大事にしている為、一般の冒険者や近衛兵や騎士や市民すらも、国王陛下に謁見する事が可能な唯一の国になっている。
「はい、この国を救った英雄である勇者様の像に落書きを!」
「草木や根や泥まみれにしました!」
「ふー…やれやれまたか?」
国王陛下が、近衛兵の報告を聞きながら、パイプタバコの穴と口から煙を出し「やれやれ」という顔をしている。
勇樹(ゆうき)のイタズラは日常茶飯事で、毎回、こうして近衛兵や騎士達が国王陛下に報告をしては、捕まえるというのが日課となっていた。
「しつっこいな!」
「こっちだ勇樹(ゆうき)!」
勇樹(ゆうき)少年が、近衛兵の男性二人組から全力で逃げていて、しつこさに焦っていると。
近くのパン屋から、彼を呼ぶ声がしたので、そこへ向かうと、手を引っ張られて店内に引きずり込まれる。
「あれ?――勇樹(ゆうき)は?」
「おい?あんた?勇樹(ゆうき)という男の子を見なかったか?」
近衛兵の男性二人組が、勇樹(ゆうき)少年を見失って、近くのパン屋のオジさんに話し掛けた。
祖父の代から引き継いで、長年パン屋でパンを作って売り続けて、生まれた時から45年間の彼の顔は、貫禄があり過ぎて、怒った時の顔は騎士や近衛兵すら本気でびびらせる程で有名な男。
その顔に似合わず、実は子供が大好きで世話焼きの優しいオジさんなのだ。
「さあ?見てねぇな?――」
「本当か?」
「ああん?――(凄い圧で見る)」
「ひぃぃぃ――」
「し、仕方、ない――む、向こうを探す、ぞ?」
パン屋のオジさんの顔にびびりながらも、向こうに走って行く、近衛兵の男性二人組。
「行ったぞ?勇樹(ゆうき)」
「おっちゃんありがと!」
「ほら、パン持って行け?」
「おお!――サンキューおっちゃん!」
パンを沢山貰いながら、近衛兵とは別の方向へ走って行く。
パンを美味しそうに食べる少年の姿を見送るその表情は強面ながらも優しく微笑んでいる。
彼は「子供は元気でなければな」と、元気でヤンチャな子供達を静かに見守るのだ。
たとえそれが、赤の他人の子供や別の国や種族の子供であろうと。
彼の信条は、子供はありのままの明朗快活(めいろうかいかつ)が大事だと考える大人なのだ。
「パン屋のおっちゃんのパンうめぇな――今度はどんなイタズラしようかな?っと」
「コラー!勇樹(ゆうき)!またお前はー!!」
「うわぁ!?いきなり出て来んなよ?ランスロット先生!」
「とにかく英雄アカデミーに帰るぞ?――話はそれからだ!」
英雄アカデミーの男性教師のランスロット・フリージアに、勇樹(ゆうき)少年が連れて行かれる。
これは、勇者を目指す少年、勇樹(ゆうき)の物語である。
遠い昔、魔王の作りし獣現れ、一度(ひとたび)その力振るえば、街を焼き、空を裂き、大地を砕き、木々は枯れ、海は荒れ、人々に深き哀しみ与えた。
これに対して人々は、各地から、魔法、武術、剣術に優れた者達を集め、応戦し。
「勇者様が来るまで足止めを掛けろ!」
「これ以上民の居る王国に近付けるな!」
戦いに優れた者達が力を合わせて、戦う相手は、世界を終焉(しゅうえん)に導く、魔王獣(まおうじゅう)10体の内の1体、黒竜ブラックドラゴン。
勇者が来るまでの間、足止めをする為に、己の鍛えし武や才を振るうが、黒竜には傷一つ付かない。
そこへ現れるは、僅(わず)か一人の勇敢な戦士の者、己の命を掛けて封印に成功するが、その勇敢な戦士は命尽きる。
その勇敢な戦士の名を『勇者』と呼ぶ。
~~~~~~~◇『Re:BRAVE・ZERO』◇~~~~~~~
「だーはっはっは!えへへー!」
「コラー!待て勇樹(ゆうき)!何て事をしたんだ!」
「今日という今日は、絶対許さんぞー!!」
10歳の男の子が、ペンキの入ったバケツと刷毛(はけ)を持って全力で男性二人に追い掛け回されている。
布の半袖に、布のパーカーの様な上着とスレッドパンツの様な布のズボンを履いて、皮のサンダルを履く。
男の子を追い掛けるのは、この国『英雄都市、ヴィクトリアマジェスティ』の近衛兵の二人組。
全力で男の子を追い掛け回している。
「はっはっはーうるせーんだよ!」
「勤勉なお前らにあんな真似が出来るかよ?――だけど俺には出来る!――俺は凄いんだ!」
彼の名前は勇樹(ゆうき)、剣崎勇樹(けんざきゆうき)。
イタズラ好きな10歳の男の子で、よく街の大人達や近衛兵にちょっかいやからかったりしている、ヤンチャ小僧だ。
今回のイタズラは、この国を救ったという伝説の勇者の像に、ペンキや泥をベタ塗りをして汚したのだった。
「大変でございます、国王陛下!」
「国王様!」
「何だ?騒々しい――また勇樹(ゆうき)のヤツが何か仕出かしでもしたか?」
ここは『英雄都市の王宮、ヴィクトリアキャッスル』、この国を治める国王陛下、ヘンリー・ド・ジネイド3世は平和と平等と民の安全を第一にとする。
この国にには、人間の他に、獣人、ドワーフ、エルフ、ドラゴニュート等の様々な種族の垣根を越えて仲良く暮らしている。
もちろん、国民や貴族や王族だろうと皆平等に接する事を大事にしている為、一般の冒険者や近衛兵や騎士や市民すらも、国王陛下に謁見する事が可能な唯一の国になっている。
「はい、この国を救った英雄である勇者様の像に落書きを!」
「草木や根や泥まみれにしました!」
「ふー…やれやれまたか?」
国王陛下が、近衛兵の報告を聞きながら、パイプタバコの穴と口から煙を出し「やれやれ」という顔をしている。
勇樹(ゆうき)のイタズラは日常茶飯事で、毎回、こうして近衛兵や騎士達が国王陛下に報告をしては、捕まえるというのが日課となっていた。
「しつっこいな!」
「こっちだ勇樹(ゆうき)!」
勇樹(ゆうき)少年が、近衛兵の男性二人組から全力で逃げていて、しつこさに焦っていると。
近くのパン屋から、彼を呼ぶ声がしたので、そこへ向かうと、手を引っ張られて店内に引きずり込まれる。
「あれ?――勇樹(ゆうき)は?」
「おい?あんた?勇樹(ゆうき)という男の子を見なかったか?」
近衛兵の男性二人組が、勇樹(ゆうき)少年を見失って、近くのパン屋のオジさんに話し掛けた。
祖父の代から引き継いで、長年パン屋でパンを作って売り続けて、生まれた時から45年間の彼の顔は、貫禄があり過ぎて、怒った時の顔は騎士や近衛兵すら本気でびびらせる程で有名な男。
その顔に似合わず、実は子供が大好きで世話焼きの優しいオジさんなのだ。
「さあ?見てねぇな?――」
「本当か?」
「ああん?――(凄い圧で見る)」
「ひぃぃぃ――」
「し、仕方、ない――む、向こうを探す、ぞ?」
パン屋のオジさんの顔にびびりながらも、向こうに走って行く、近衛兵の男性二人組。
「行ったぞ?勇樹(ゆうき)」
「おっちゃんありがと!」
「ほら、パン持って行け?」
「おお!――サンキューおっちゃん!」
パンを沢山貰いながら、近衛兵とは別の方向へ走って行く。
パンを美味しそうに食べる少年の姿を見送るその表情は強面ながらも優しく微笑んでいる。
彼は「子供は元気でなければな」と、元気でヤンチャな子供達を静かに見守るのだ。
たとえそれが、赤の他人の子供や別の国や種族の子供であろうと。
彼の信条は、子供はありのままの明朗快活(めいろうかいかつ)が大事だと考える大人なのだ。
「パン屋のおっちゃんのパンうめぇな――今度はどんなイタズラしようかな?っと」
「コラー!勇樹(ゆうき)!またお前はー!!」
「うわぁ!?いきなり出て来んなよ?ランスロット先生!」
「とにかく英雄アカデミーに帰るぞ?――話はそれからだ!」
英雄アカデミーの男性教師のランスロット・フリージアに、勇樹(ゆうき)少年が連れて行かれる。
これは、勇者を目指す少年、勇樹(ゆうき)の物語である。

