僕たちの恋は、いつだって予想外。~強気で不器用な美少年たちは今日も恋に全力投球……顔面偏差値100超えの6人が織りなす、甘くて痛い初恋の記録~

月曜日、四季は学校へ来なかった。

「中里ちゃん今日休みなんだって? お前何も聞いてないの?」

「……土曜日から連絡が取れない。昨日も約束してたんだけど連絡つかなかった。今日家行ってくる」

「ふーん……お前何かしたの? 怒らせたとか……」

「そんなことするかよ!! ……本当にどうしたんだろう」

放課後、蒼士は四季の家を訪ねた。

「ごめんなさいね、矢田くん。四季今誰とも会いたくないそうなの。今日は……」

「え? 俺でも会えないんですか? 何で……」

「……四季土曜日にずぶ濡れで帰ってきて、それからずっと部屋に籠ってるの。楽しそうに出かけて行ったんだけど、何があったのかしら……」

「土曜日に? 楽しそうに? ……でも俺と約束してて……俺がドタキャンして……」

「とにかく、矢田くんに早く連絡するようには伝えるわね、わざわざ来てくれたのに、ごめんなさいね」

──四季はあの電話の後どこかへ出掛けたんだ。でもどこに……?

その日、待っても四季から連絡は来なかった。次の日、学校へも来なかった。


──────


「なぁ、中里ちゃん、一週間くらい休んでんだろ? 何も連絡ないん?」

「──全く連絡してくれないし、会ってもくれない。何があったのか本当にわからないんだ」

「お前が原因とも限らねえからなー。本人からの連絡を待つしかないか」

蒼士は心配で気が気ではない。
四季に何があったのか……

次の日、四季がやっと登校したらしい。
蒼士はそれを聞いて昼休みに慌てて四季の教室まで会いに行った。

「四季っ!! どうしたの? 一週間も連絡つかなくって心配したんだよ?! 何があったの?」

四季は泣き出しそうな顔をして答えた。

「──嘘つき。僕なんて居なくてもいいんでしょ。もう無理して会いに来ないで。彼女と幸せになればいい。僕を、そんな関係に巻き込まないで。もう教室帰って」

「……っっ、四季何か勘違いしてる? どうしたの? 俺、女なんていないよ? ねぇ、どうしたの?」

四季は目を見ない、話さない。
昼休みが終わり、蒼士と亮司は四季の教室を出た。

「お前さ……中里ちゃんに女いるって思われてるの? 何か思い当たる節ねぇの?」

「ねぇよっ!! 何なんだよ? 四季の奴!! ろくに話もせずに一方的に……俺どうしたらいいんだよ? 本当に浮気なんてしてない……」


──────


そのままの状態で四季の元へ通い詰め、説得を続けた。

二週間ほどが経ち、四季が2年生から告白された。

その男は2年で一番のイケメンだ。告白の噂は学校中に回り、蒼士の耳にも入った。蒼士は慌てて四季の元を訪ねた。

「ねぇ、まだ俺の話聞いてくれないの? 女なんていないっつてるじゃん。拗ねるのも良い加減やめろよ。四季、お前可愛くないぞ」

「──拗ねてる訳じゃないことくらいわかるよね? もう話すことはないの。僕たち別れよう。ハッキリさせてなかったね。ごめん」

「は? ふざけるなよ? 四季……まじで良い加減に……」

「蒼士、もういいよ。教室帰るぞ。お前も落ち着け」

流石の亮司もこれではあまりにも蒼士が可哀想になってきた。

こいつは四季以外眼中にない。浮気するなんてありえない。

蒼士を隣で見てきた亮司にはよくわかる。


──────


放課後、亮司は一人で四季の教室を訪ねた。

「ちょっと……中里ちゃん、話できるかな? 少しでいいからさ」

「──なに? 坂田くん」

「あいつ、蒼士さぁ、浮気なんてしてないと思うよ? あいつ中里ちゃんだけだもん。見てたらよくわかるよ。
浮気なんてさ、中里ちゃんの勘違いなんじゃないの? 話も聞いてやらないなんて、あまりにも一方的すぎて、蒼士が可哀想だろ?」

四季は涙を堪えていたが、決壊したように大粒の涙がポロポロとこぼれ出した。

「僕、見たんだ。蒼士が家の前で、女の人と抱き合ってるの。
その後二人は家に入って行った。
彼女じゃなきゃ……浮気じゃなきゃ何だっていうの?
僕は悪くない! 話なんて聞いても無駄だよ。僕が見たことが全てだ」

「四季っ!! 待って!! それ違うから!!」

蒼士は坂田が四季のところへ行くことを聞きつけて、追いかけてきたのだ。

「黙ってよ!! 蒼士っ!! もう僕たち別れたんだ!! 何も聞かないっ!!」

四季は廊下中に聞こえるくらいの大声で騒いだ。

「四季、その女は……妹だよ。本当だ。信じて。あの日、父さんが倒れて、妹が憔悴しきっていた。タクシーを降りた時によろめいたところを支えると泣き出したんだ。だから宥めてたんだよ。絶対に浮気なんてしない! 四季だけが好きなんだ」

「うそ……じゃあ何でお父さんのこと言わなかったの?」

「言ったら四季心配するだろ? 四季優しいから俺よりもオロオロしちゃうし、心配させる。黙ってた方が良いと思ったんだ。こんなことになるなんて、本当にごめんっ!! 何なら妹に会わせてもいい」

四季は泣きながら言った。

「うそぉ……ぼく……ふぇ……バカみたいじゃ……そうしのたいへんな……ふぇ……とき……ひっく……そうし……ごめな……しゃい……ひぃっ……」

「ああ、四季こっちにおいで……まさか四季がうちに来てたなんて思いもよらなかったんだ。
そして妹宥めてたことなんて忘れてたし……本当にごめん」

蒼士は四季をギュッと抱きしめた。
そして四季は蒼士の胸の中で思いっきり泣いた。


──────


その騒ぎはあっという間に校内に広まり、四季に告白をした2年生の橋本がその場に駆けつけた。

「中里くん、そいつと別れたんじゃなかったの? 何してるの……」

「あ……橋本先輩ごめんなさい。……僕の勘違いだったみたいで、蒼士は浮気なんてしてなかった。だから僕……」

「は? 何勝手なこと……矢田くんとちゃんと別れたら俺と付き合うって言ったよね?」

「?! そんなっ!! そういう意味じゃ……蒼士とは別れてないから誰とも付き合えないっていう意味で……それに、先輩とは付き合えないってちゃんとお断りしたはずです! 僕……まだこんなに蒼士が大好きで……」

四季はボロボロと泣いた。

蒼士が割って入り、頭を下げた。

「橋本先輩、すみません。俺が四季を不安にさせたんです。俺が謝ります。
先輩の気持ちまで踏み躙るようなことになって申し訳ありません。」

「はぁ、こんな大勢の前で頭下げられたんじゃ、俺、引き下がるしかないよね。中里くん、君、他の男に気を持たせるような言動はしない方が良い。その激情型の性格も可愛いけど、矢田くんも可哀想だよ? 話を聞いてあげないと……
何で俺アドバイスしてるんだろうね? じゃあ、ちゃんと仲直りして」

そう言うと橋本は踵を返した。

四季は泣きながら蒼士を後ろから力一杯抱きしめた。


──────


四季と蒼士はクラスメイトと、亮司にサボる口実を頼んで二人で屋上へ上がった。

「蒼士……本当にごめんね。
蒼士のことになるとブレーキが効かないみたい。浮気されたと思って……苦しかった……僕が男だからダメなんだって……ふぇぇん……そうしぃ……さみしかった……」

「四季、泣くなよ……俺がきちんと説明してないのが悪かった。今後は全部話すし、嫌なこととか何でも全部言って?
男だなんて……四季なら何でも良い。男でも女でも構わない。俺は、『四季』が好きだよ」

「ありがとう……もう蒼士から離れない。辛かった。……僕、やっぱり指輪が欲しい。物に頼る訳じゃないけど、目で見える形で蒼士の愛が欲しい」

「四季、かわいい。明日こそ買いに行こうか。
俺も四季の愛がもっと欲しい」

次の日の朝、四季は蒼士を家まで迎えに行った。

「四季! おはよう! ほら、この前の『女』(笑)、妹の実紅だよ」

「おはようございます……ってうっわぁ……お兄の恋人めっっっっちゃ可愛い!! やばい!!まじで男ですか?! これお兄周りライバルだらけじゃないの? 四季さんまじ可愛い〜!

あ、お兄の恋人と勘違いさせてすみませんでした。私からしたらゲロゲロなんですけども……こんな兄でもそこそこモテるみたいで……」

「……蒼士が二人いる……っていうか、蒼士が女になってる……やばい。僕、実紅さんに最初に会ったら実紅さんに恋してた……」

「あはっ、私も四季さんなら大歓迎(笑)こんな可愛い彼氏。男子から妬かれそうだけど」

「はあ? 四季、冗談でもやめろよ?! こいつまじで四季のこと落としにかかるぞ? 四季が襲われる」

「蒼士……冗談だから……落ち着いてよ」

「本当お兄四季さんに弱いんですね。昨日も私に『疑いを晴らせ』って凄い剣幕だったんです。四季さん、こんな馬鹿な兄ですがよろしくお願いします」

「僕こそ、お父さんの大変な時に、勝手に疑って、蒼士困らせたりしたんだ。実紅さんにも迷惑かけてごめんなさい。これから仲良くしてくれると嬉しいな」

「〜っっ!! 四季さんまじ可愛い……お兄ってまじで面食いだね……」


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二人は街へ出かけた。ジュエリーショップを何店舗か回ってみることにした。

四季はカジュアルで安価な指輪より、きちんとしたお店のきちんとした物が欲しかった。

……より拘束力があり、蒼士を束縛できる物が欲しかった。
愛が欲しかった。

「蒼士っ! こんなのは? ねぇ、つけてみようよっ!!」

蒼士は少し圧倒されていた。
四季の食いつき方と、高校生にしてはバグった価格設定……

けれど、四季の好きにさせてやりたかった。
もう悲しい思いはさせたくなかった。

「すみません、これをペアでつけさせて欲しいんですけど……」

「かしこまりました。こちらをどうぞ」

「ねぇ、蒼士、僕これが気に入っちゃった!!
どう?」

「くすくす。綺麗な指輪だね。石が埋め込まれてるよ。すみません、この石は変更可能ですか?」

「はい! もちろんです。お好きな石をお選びください」

「──ストロベリークォーツって選べますか?」

「珍しいですね。ですが、お選びいただけますよ。それではお手続きをいたしますので、しばらくお待ちくださいませ」

「ねえ、蒼士、ストロベリークォーツって何? 美味しそう……」

「ああ……可愛い石だから四季に似合うかなって。俺たち高校生だし、ギラついたものも似合わないし、それに──」

「それに、なぁに?」

「それはまた後でのお楽しみ」

──ストロベリークォーツには『愛』という石言葉があるんだよ。

でもまだ四季には内緒。


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数日後、二人は指輪を受け取りにきた。

「うわぁ! 可愛い!! 透明なピンクの石の中に赤い模様が入ってる! こんな石見たことない!」

「四季よく似合うよ。可愛いなぁ」

学校帰りに制服で指輪を受け取りに来た二人を見てスタッフは笑顔で応対した。

「まぁ、お二人とも高校生でいらしたのですね? とっても可愛らしいです。また、大人になられた折にもお待ちいたしておりますよ?」

「はーい! 次は結婚指輪買いに来ます!」

四季はご機嫌だった。


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「うちの高校って、アクセとか髪色自由だからずっと付けてられるねっ!! 嬉しい!! 明日みんなに自慢するんだ〜」

「……四季ってさ、段々と地が出てきて、ぐいぐいくるね(笑)結構肉食系」

「僕決めたんだ。僕のものは絶対に渡さないし、欲しいものは意地でも手に入れるって。蒼士にはごめんだけど、指輪でめっちゃ束縛するよ?! 絶対に蒼士は誰にも渡さない。僕と付き合ってるのに、今でもかなり狙われてるんだよね。
僕蒼士のこと本当に大好きなんだよ? 誰にも渡さない為だったら何でもする。
──ねぇ、ここで、大勢の人が見てる前で僕にキスして」

「四季……かわいい。けど、何でそんなに不安になるの? 俺はお前を一目見た日から……ずっとお前しか見えてないのに……四季の言うことなら何でも叶えてあげる。でも、キスは四季に言われたからするんじゃないよ? 俺がしたいからするんだ」

蒼士は四季を抱きしめると街中で一番人の往来の多い場所で唇にキスをした。

周囲からは小さな歓声や悲鳴が上がった。

「きゃあ! キスしてる! え? 男の子同士?」

「やばあ! めっちゃイケメンと可愛い男の子がキスしてる……」

「えーあたしも彼氏にあんなキスして欲しい……」

……どれくらいそうしていただろうか?
気がつけば雪がちらつき始めていた。


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次の日、雪が積もり外は寒かったが、四季の心はとても暖かく、早くみんなに指輪を見せびらかしたかった。

「見て見てっ!! 蒼士とペアリング買ったの! もうこれで蒼士は完全に僕のものだから、誰か手出したら許さないから」

歩夢は言った。

「四季、最近矢田くんのことになるとこわーい。まじで好きなんだね……まぁ、入学式からずっとだもんね」

教室の隅でその様子を苦々しく見ているグループがいた。

「佳太、佳太も可愛いんだからワンチャンいけるかもよ? だって所詮中里って、可愛いって理由だけで矢田と付き合えてる訳だし。絶対告白すべきだって」 

「僕は矢田くんの事を好きな理由、カッコいいとか、それだけじゃない。
……入学式の後に、2年生に絡まれてたところを助けてもらった。その時から矢田くんのこと好きなの。
顔で好きになった中里とは訳が違う」

この佳太もかなり可愛いのだ。男子からの人気も高いし、告白されることもしょっちゅうだ。

「こんなの不公平だし、僕だって矢田くんと仲良くなりたい」


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蒼士は亮司と図書室で四季を待っていた。途中で亮司が帰り、蒼士が一人になった。そこを見計らった佳太は蒼士の横に立った。

「矢田くん……僕のこと覚えてるかな?
入学式で上級生に絡まれてたところを助けてくれた、細貝(ほそがい)佳太って言います」

「あ? ああ……そうだっけ? それで、何か用?」

「あの……良ければ友達になって欲しくて……お願いっ!!」

「……突然友達って……あれだよな? 別の意味があるよな? 俺そういうのは……」

「違うの! 待って、僕純粋に矢田くんに憧れてるんだ。前助けてくれた時に男らしいのが羨ましいって思って……だから僕、矢田くんみたいな強い男になりたくって……」

「え? お前男らしくなりたいの? ……まあ、そういうことなら……うーん……四季に聞いてみないと……」

「蒼士っっ!! 何してるのっ?!」

「あ、四季!! こっちこっち、こいつ四季のクラスメイトなんだろ? こいつが俺らと友だちになりたいって。構わない??」

「僕は嫌。何? お前蒼士のこと好きだよね? 僕と蒼士が付き合い初めの頃、僕に喧嘩ふっかけてきた。何が友達だよ? 蒼士に取り入ろうったってそうはいかない」

四季は蒼士の唇にキスをした。
左手の薬指を見せびらかしながら蒼士の顔に手を添えた。

「僕と蒼士の間に付け入る隙はない。わかったらあっち行って!!」

佳太は顔を引き攣らせて涙をあふれさせ、その場を走り去った。

「蒼士!! 何で騙されるの?! 友達になりたいなんておかしいでしょ? わざわざそんなこと言うなんて。そりゃ僕のとこにもそんな奴がたまに来るよ。でもそんなの安請け合いしないでよ……」

「わかったから、そんな顔するな? 可愛い顔が台無しだぞ? 何がそんなに不安なんだよ……」

蒼士は四季を優しく抱きしめて頭を撫でた。


──────


期末テスト期間を無事に乗り切り、二人は久しぶりにバイトへ行った。

「店長久しぶりです〜
今日からまたよろしくお願いします!」

「おっ! 久しぶりだな、中里くん、矢田くん。
君らシフト全被りしてるから真面目にやれよ〜
イチャイチャすんなよ〜」

四季は喜んだ。蒼士は正直複雑だった。最近四季がおかしい。明らかに蒼士に依存しすぎだ。

「蒼士〜帰ろ? 外めっちゃ寒いみたいだよ!! 雪、降るかなあ」

「ああ……なあ、四季、お前最近何か変だぞ? 俺のこと好きって言ってくれるのはもちろん嬉しいし、俺だってお前のこと大好きだ。けど、周りを敵視し過ぎているというか……」

「だって……もう誰にも取られたくない……蒼士がそんな人じゃないのはわかってるけど……でも……」

「──ちょっとうち寄ってくか? 話をしよう」


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「四季、俺、お前のことが好きだ。
ハッキリ言ってお前の気持ちより俺の気持ちのがデカいと思う(笑)
お前をそういう目で見る男たちが許せないし、出来ることならお前を閉じ込めたい。
それくらいお前が好きだ。何がそんなに不安なんだ?」

「……もっと毎日好きって言って。
蒼士に色目使う奴は男でも女でもちゃんと拒絶して。
この前みたいに騙されないで。
そして僕の方が蒼士のことずっとずっと好きだから。
入学式で初めて見てから、ずっと蒼士を見てた。
バイトが一緒になって死ぬかと思った。
仲良くなって、可愛がってくれて、それだけでも良いと思ってた。
でも……やっぱり蒼士の隣にいたかった。
大好きなの……どこにも行かないで……僕男だし……そのうちに女の人が良くなるのかもって……こわい……」

四季はあの土曜日、妹を浮気相手と勘違いしたことが相当大きなトラウマになっているようだ。

「四季……聞いて、四季。
ストロベリークォーツの石言葉知ってる?」

「?? ううん。調べてない。ただ可愛いなぁって……言葉なんてあるの?」

「うん。

──『愛』っていうんだよ。

お互いに送り合っただろ? 『愛』を。

これは誰にも邪魔されない。あんなに目立つ街中で誓いのキスもしただろ? 
四季……心から愛してる」

「うぇぇ……そうし……そうし……ありがと……ぼく……ふぇぇん……なにもしら……っくて……うぇ……ふっく……」

「四季、もう何も心配すんな。な? 大人になったら結婚指輪買いに行くんだろ? ずっと一緒にいような?」

四季は蒼士に抱きしめられ、肩口に顔を埋めて泣いた。