カーテンの隙間から夜が明けることを知らせる、わずかな光が差し込む。
 黎明っていうのはこれかな。
 黎助を起こさないようにカーテンの中に入り込んで、窓の外が少しずつ明るくなるのを眺める。
 これが黎明なら、綺麗だなって感じる。昔の人が、明けと宵にいろんな名前を付けたのも分かる気がする。
 
 ちゅんちゅん、鳥のさえずり。
 一睡もできなかった。窓の外はすっかり日が登っていたけど、俺はずっとカーテンの中。
 寝起きの黎助がカーテンの中にいる俺を怪訝そうに見てきたが、「おはよう」とだけ言って直ぐに部屋を出て行った。俺はただその場でぼんやり、黎助が出て行った扉を見つめるしかできなかった。
 
 一緒に朝食を食べて、そのまま黎助は帰っていった。
 分からない。分からないけど、黎助が普通に接してくるから、このままの関係がいいのか?
 俺だって好きだ、って伝えたところで、それは恋愛じゃなくて親友としてってことにならないか?
 その逃げ道のある言い方だったのが、むかつく。臆病者め。
 黎助はずるくて変な線引きをしたので、俺はぶち壊そうと思う。ぎゃふんと言わせてやる。
 けれどそれはテスト明けに。流石に今なにかをしてそれが原因で黎助のテスト結果がボロボロで、そのせいで進路の邪魔になった、なんてことはしたくないし。