幽霊はエロいことが苦手らしい


 穏やかな風が吹き、きらきらとした木漏れ日が落ちる、美しい広場。
 遠くでは八淵川の支流のせせらぎと、小鳥のさえずりが聞こえている。
 そこに新しく建てられた白い祠には、深森家に強く深い怨念を持つ女性達が祀られていた。

「――」

 暁人と蒼介の背中が遠ざかるのを、祠はじっと見つめていた。
 ――その、白い石の端が、赤錆色に変色していることを、今はまだ誰も気付いていない。