「ねえ陽!」
彼女が空を見ながらふと話しかけてきた。
「ん? 何?」
「ありがとうね。本当に」
「急にどうした……」
急に神妙な口調になった彼女が気になり、顔を見たら、彼女の目から大粒の涙が溢れていた。僕は、見てはいけないものを見てしまったような気持ちになり、言葉に詰まった。
「こんな綺麗なもの、生まれて初めて見た……」
そう言いながら彼女は、涙を溢し続けている。
「ありがとうは、こっちのセリフだよ」
「……えっ?」
「きっと、葵がいなければ、もう一度ここに来ようって気持ちにはならなかった。ずっと忘れていたものを取り戻した気がする。ありがとう」
彼女からも指摘された言葉足らずな自分にとって、精一杯言葉を紡いだつもりだった。気持ちがちゃんと伝わったのかは分からない。だけど僕は、本心だけをそのまま紡いで彼女に向かって発した。
不意に彼女が僕の肩に寄りかかってくる。女性に甘えられる経験も、生まれて初めてだった。
「もう少し、早く出逢いたかったなあ……」
「まだお互い10代じゃん。これからまだまだずっと一緒にいられるよ」
「……そうだね」
夏になると感傷的になる彼女が、花火を見てより感傷的になっている。だけど、今はその彼女の隣に僕がいる。僕なら彼女のことを分かってあげられる。彼女が僕のことを分かってあげると言ってくれたように、僕も彼女のことをもっと分かってあげられるように努力する。僕はそう強く決意していた。
『スターマイン』というアナウンスが聞こえてきたかと思うと、空には無数の花が咲き続けている。色や形や大きさを微妙に変化させながら空を彩る花々に、僕も彼女も目が釘付けになっている。
「ねえ陽……」
「ん?」
「大好き」
「……俺も大好き」
誰かに好きと言われたことも、誰かを好きと言ったことも生まれて初めてだった。でも自分でも驚くほど冷静に、その状況を受け入れられた。
花火もついに最終盤を迎えることになり、毎年恒例のメインイベントのアナウンスが流れた。子供の頃、これには驚きと感動の両方の感情が芽生えたことを思い出していた。
「これ、マジで凄いよ」
「えっ? めっちゃ気になる……」
彼女が期待感からソワソワしているのが分かった。頰には涙の跡がクッキリと残っている。
しばしの間の後、海上に大きな花が咲いた。熊野大花火大会名物の三尺玉海上自爆だ。
爆音を轟かせながら大きく咲いた花を見た彼女は、テンプレのように「わぁ!」と言いながら驚いていた。
彼女が空を見ながらふと話しかけてきた。
「ん? 何?」
「ありがとうね。本当に」
「急にどうした……」
急に神妙な口調になった彼女が気になり、顔を見たら、彼女の目から大粒の涙が溢れていた。僕は、見てはいけないものを見てしまったような気持ちになり、言葉に詰まった。
「こんな綺麗なもの、生まれて初めて見た……」
そう言いながら彼女は、涙を溢し続けている。
「ありがとうは、こっちのセリフだよ」
「……えっ?」
「きっと、葵がいなければ、もう一度ここに来ようって気持ちにはならなかった。ずっと忘れていたものを取り戻した気がする。ありがとう」
彼女からも指摘された言葉足らずな自分にとって、精一杯言葉を紡いだつもりだった。気持ちがちゃんと伝わったのかは分からない。だけど僕は、本心だけをそのまま紡いで彼女に向かって発した。
不意に彼女が僕の肩に寄りかかってくる。女性に甘えられる経験も、生まれて初めてだった。
「もう少し、早く出逢いたかったなあ……」
「まだお互い10代じゃん。これからまだまだずっと一緒にいられるよ」
「……そうだね」
夏になると感傷的になる彼女が、花火を見てより感傷的になっている。だけど、今はその彼女の隣に僕がいる。僕なら彼女のことを分かってあげられる。彼女が僕のことを分かってあげると言ってくれたように、僕も彼女のことをもっと分かってあげられるように努力する。僕はそう強く決意していた。
『スターマイン』というアナウンスが聞こえてきたかと思うと、空には無数の花が咲き続けている。色や形や大きさを微妙に変化させながら空を彩る花々に、僕も彼女も目が釘付けになっている。
「ねえ陽……」
「ん?」
「大好き」
「……俺も大好き」
誰かに好きと言われたことも、誰かを好きと言ったことも生まれて初めてだった。でも自分でも驚くほど冷静に、その状況を受け入れられた。
花火もついに最終盤を迎えることになり、毎年恒例のメインイベントのアナウンスが流れた。子供の頃、これには驚きと感動の両方の感情が芽生えたことを思い出していた。
「これ、マジで凄いよ」
「えっ? めっちゃ気になる……」
彼女が期待感からソワソワしているのが分かった。頰には涙の跡がクッキリと残っている。
しばしの間の後、海上に大きな花が咲いた。熊野大花火大会名物の三尺玉海上自爆だ。
爆音を轟かせながら大きく咲いた花を見た彼女は、テンプレのように「わぁ!」と言いながら驚いていた。



