「うわあ、もうこんなに場所取りされてるよ。本当に人気なんだね」
自分が褒められたわけではないのに、彼女の言葉が何故か嬉しい。
「子供の頃の記憶のまんまだよ」
「おっ、表情がキラキラしてきたね。当時の陽少年に戻っちゃった感じ?」
「……いや、子供の頃は家族と来たから。その時とはちょっと違うよね」
「ふうん、そっか」
他愛のない話をしながら、僕たちは砂浜を歩きながら空いているスペースを探していた。午前中にも関わらず、ほとんど空いているスペースがなかったが、団体と団体の間と思われる場所に、丁度よい空きスペースがあった。
「あっここ丁度いいね」
「ラッキーだったな。とりあえずここにシートを敷こう」
僕たちは敷いたブルーシートの上に座り、四隅にお互いの靴を置いて風でバタつかないようにした。サイズ感の違うお互いのスニーカーが四隅に散りばめられている絵がどこか滑稽に思えた。
「なんか懐かしいなこういうの。小学校の遠足以来かも」
「ああ、確かに中学以降の遠足ではブルーシートとか敷いた記憶ないな」
「ねっ、童心を思い出すよね」
「だな!」
「あのさ、せっかくだから色々と陽について聞いてもいい?」
彼女が急に思い立ったように言った。
「ん? 急にどうした? 全然いいよ」
「陽さ、受験生でしょ? こんなことしてていいの?」
あまりにも予想外の質問に、僕は思わず笑ってしまった。
「アハハ。心配してくれてるの? ありがとう。てゆーか、こんなことって葵が誘ったんじゃん」
「いや、それはそうなんだけど、よくクラブにも来てるし夜遊びしてて大丈夫なのかな? って実は何気に心配してた」
「うーん、でもまぁ志望校ってゆーか自分の学力に見合った高校に関しては間違いなく合格できるから大丈夫だよ」
「えっ? 陽ってもしかして頭いい系?」
「頭いいかどうかは分からないけど、四日市高校とかは無理だよ。まぁ少し落として川越辺りに行こうかな? って感じ」
「ハァー? 川越高校ってめっちゃ頭いいじゃん! 私なんて朝明高校だよ?」
「別に頭良くないよ。上には上がいるし。別に何処の高校でも本人がそこで何を学ぶかの方が大事なんじゃない?」
「うっ……ご尤も過ぎる正論を言われて返す言葉もないや。でも純粋に凄いと思う。尊敬した」
「いやいや、そんな尊敬されるような存在じゃないよ」
「いや、普通に凄いって。あのさ、もし良かったら私にちょっと勉強教えてくれない? 英語とか数学とかヤバいんだ」
今思い返すと、彼女のこの言葉が僕を教育者の道へと導いたのかもしれない。
自分が褒められたわけではないのに、彼女の言葉が何故か嬉しい。
「子供の頃の記憶のまんまだよ」
「おっ、表情がキラキラしてきたね。当時の陽少年に戻っちゃった感じ?」
「……いや、子供の頃は家族と来たから。その時とはちょっと違うよね」
「ふうん、そっか」
他愛のない話をしながら、僕たちは砂浜を歩きながら空いているスペースを探していた。午前中にも関わらず、ほとんど空いているスペースがなかったが、団体と団体の間と思われる場所に、丁度よい空きスペースがあった。
「あっここ丁度いいね」
「ラッキーだったな。とりあえずここにシートを敷こう」
僕たちは敷いたブルーシートの上に座り、四隅にお互いの靴を置いて風でバタつかないようにした。サイズ感の違うお互いのスニーカーが四隅に散りばめられている絵がどこか滑稽に思えた。
「なんか懐かしいなこういうの。小学校の遠足以来かも」
「ああ、確かに中学以降の遠足ではブルーシートとか敷いた記憶ないな」
「ねっ、童心を思い出すよね」
「だな!」
「あのさ、せっかくだから色々と陽について聞いてもいい?」
彼女が急に思い立ったように言った。
「ん? 急にどうした? 全然いいよ」
「陽さ、受験生でしょ? こんなことしてていいの?」
あまりにも予想外の質問に、僕は思わず笑ってしまった。
「アハハ。心配してくれてるの? ありがとう。てゆーか、こんなことって葵が誘ったんじゃん」
「いや、それはそうなんだけど、よくクラブにも来てるし夜遊びしてて大丈夫なのかな? って実は何気に心配してた」
「うーん、でもまぁ志望校ってゆーか自分の学力に見合った高校に関しては間違いなく合格できるから大丈夫だよ」
「えっ? 陽ってもしかして頭いい系?」
「頭いいかどうかは分からないけど、四日市高校とかは無理だよ。まぁ少し落として川越辺りに行こうかな? って感じ」
「ハァー? 川越高校ってめっちゃ頭いいじゃん! 私なんて朝明高校だよ?」
「別に頭良くないよ。上には上がいるし。別に何処の高校でも本人がそこで何を学ぶかの方が大事なんじゃない?」
「うっ……ご尤も過ぎる正論を言われて返す言葉もないや。でも純粋に凄いと思う。尊敬した」
「いやいや、そんな尊敬されるような存在じゃないよ」
「いや、普通に凄いって。あのさ、もし良かったら私にちょっと勉強教えてくれない? 英語とか数学とかヤバいんだ」
今思い返すと、彼女のこの言葉が僕を教育者の道へと導いたのかもしれない。



