心霊動画を撮影していながらも、こういう経験をしたことはないんだろう。
「トモ助けて!」
もう一度叫ぶとトモが割れに返ったように一歩前に踏み出してこちらへ両手を差し出してきた。
その両手が僕の上半身を抱きしめる。
「だめや! レンを連れて行かんとって!」
まるで駄々っ子のようなセリフ。
それに、それくらいのことで霊の力が弱まるわけがな――。
そう思った次の瞬間だった。
僕を掴んでいた手の感触がふいに消えた。
凍えるほどの寒気も消えて行き、浴室の中は元通り暖かな空気に包まれる。
「消えた……?」
今にも泣き出してしまいそうなトモの呟きを聞きながら、今度は僕が呆然としてしまう番だった。
☆☆☆
「トモ助けて!」
もう一度叫ぶとトモが割れに返ったように一歩前に踏み出してこちらへ両手を差し出してきた。
その両手が僕の上半身を抱きしめる。
「だめや! レンを連れて行かんとって!」
まるで駄々っ子のようなセリフ。
それに、それくらいのことで霊の力が弱まるわけがな――。
そう思った次の瞬間だった。
僕を掴んでいた手の感触がふいに消えた。
凍えるほどの寒気も消えて行き、浴室の中は元通り暖かな空気に包まれる。
「消えた……?」
今にも泣き出してしまいそうなトモの呟きを聞きながら、今度は僕が呆然としてしまう番だった。
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