誘われて事故物件に暮らしはじめました。

アキトの物腰が柔らかいのは見た目の恐ろしさを緩和させるためなのかもしれない。
案外悪いやつじゃない?
そう思いかけて心の中で警戒心を強める。
いやいや、そんなことで今回の依頼を承諾するわけにはいかないんだから、ほだされちゃいけない。
グイッと水を一口飲んで「それで、連絡した要件なんだけど」と、僕のペースで本題へ入った。
「あ、そうだね。なに?」
質問してくるアキトはすでに嬉しそうな表情になっている。
きっと僕が依頼を受けると勘違いしているんだ。
そりゃ、名刺を受け取った僕の方から連絡をしたのだからそんな勘違いをさせてしまうかもしれないとは思っていた。