誘われて事故物件に暮らしはじめました。

なんだか母親の話がどんどん壮大なものになっていく。
僕は自分の霊感を隠したいだけで、それを生業としている人たちを否定しているわけじゃないのに。
だけど今の母親には何を言っても無理みたいだ。
なにせ母親の目は僕を通り抜けてアキトくんたちを見ているのだから。
「とにかく、もう一度話くらいは聞きに行きなさい。頭ごなしに断ったんじゃ失礼でしょう」
それから、できればアキトくんたちのサインをもらってきなさい。
母親は最後にそう付け足したのだった。

☆☆☆

母親に強制されてアキトに連絡を取った翌日、僕はこの前と同じファミレスへやってきていた。
そして目の前にはアキトがひとりで座っている。