誘われて事故物件に暮らしはじめました。

マイナスの感情が溢れだしてきて耳を塞いでいる元気もなくなり、両手を体の横にダラリと下げた。
赤ん坊は相変わらず泣いている。
巨体を揺らして懸命にイヤイヤをしているように見える。
あぁ、お前も死にたくなんてなかったんだろうな。
僕だってそうだよ。
自分から孤独を選ぶようなことしたくはなかった。
お前と僕は似ているのかもしれないね。
すべてを諦めれば今すぐに楽になれるんだろうか。
この巨大な赤ん坊とふたりで、浴室にいるあいつも誘って、この世ではない場所へ行くことができればい……。
右手を赤ん坊に伸ばした時「レン!!」と、叫ぶ声が聞こえた。
久しぶりに聞いたその声に驚き、右手をひっこめる。