誘われて事故物件に暮らしはじめました。

盛り上がった布団がムクムクと膨れ上がってきたかと思うと、下から「おぎゃあ! おぎゃあ!」と赤ちゃんの叫び声が聞こえてきたのだ。
思わずベッドから離れて胸に両手を当てた。
そこには首から下げているお守りがある。
トモが眠っているはずの布団がズルズルと横へずれてくる。
相変わらず赤ん坊の叫び声のような泣き声は聞こえ続けていて、耳が痛いほどだった。
ついに布団がバサリと音を立てて床に落ちた。
そこに現れたのはトモの腹部から突き出ている胎児だった。
まるで寄生中のように足先だけをトモの腹部に突っ込み、体を出してユラユラと左右に揺れている。
その衝撃的な光景に吐き気が込み上げてきて涙が滲んだ。