誘われて事故物件に暮らしはじめました。

だけどここは事故物件だ。
短い安らぎの時間さえも邪魔してくる奴はいる。
お湯に浸かって10分くらいが経過したとき、急に浴室内の室温が下がったのを肌で感じた。
軽く身震いをしてお湯を継ぎ足す。
が、それでは間に合わないくらいの寒気に焦って湯船から飛び出した。
まだ洗髪していなかったけれどそんなことを気にしている場合ではない。
ずぶ濡れのまま浴室から廊下へと飛び出そうとしたとき、僕の腕をなにかが掴んだ。
瞬間、初日の出来事が脳内でフラッシュバックした。
鏡の中から伸ばされた手。
引きずり込まれそうになった恐怖。
けれど今回は少し違った。