誘われて事故物件に暮らしはじめました。

今やどこにいてもこの部屋の中の空気は重たい。
油断すると足元を救われそうになるくらい悪い雰囲気が漂っている。
が、今のところお守りの効果が出ているようでまだ部屋の中にいることができていた。
テレビも付けずにリビングのテーブルで課題を進めていると外から5時を知らせるチャイムが聞こえてきた。
少し遠くの公園にスピーカーが設置されているのだ。
夕焼け小焼けのメロディでもない、無機質なチャイム音にノートパソコンを叩く手を止めて大きく伸びをする。
寝室へ視線を向けると、トモは相変わらず布団にもぐりこんだままだった。
食欲もないようでサイドテーブルに置いてあるコンビニの袋は手つかずのままだった。