誘われて事故物件に暮らしはじめました。

苛立ちが込み上げて来てハッと我に返った。
普段はこれくらいのことで怒ったりはしない。
それなのに今は感情が制御を失ってしまったかのように暴走するところだった。
僕は早鐘を打つ心臓を胸の上から押さえつけた。
ふと視線をあげるといつの間にか浴室のドアが半分ほど開いている。
情緒が不安定になるのもきっと、こいつの仕業だ。
こいつはジワジワと僕を浸食してきている。
今はトモがいないから、余計に影響が出ているんだろう。
「なんだよ。お前になんか負けないからな!」
大きな声で威嚇すると影が嘲笑うかのように上下に揺れて、浴室へと引っ込んでいった。

☆☆☆