誘われて事故物件に暮らしはじめました。

この部屋の影を認識することができるトモにも見えていないみたいだ。
アキトも首を傾げている。
僕はトモの腹部を指さしたまま固まってしまった。
そこには真っ黒な固まりがあり、その半分がトモの腹部の中に埋まっていたのだ。
丸い楕円形の塊がうごめいたかと思うと、パッと白くて小さい点が二つ、楕円形の中に浮かんだ。
「目だ」
思わず呟いた。
黒い楕円形に浮かんでみたのはふたつの目だ。
それがジッと僕を見ている。
真っ白な目がまばたきをしたかと思うと、その下にピンク色のものが覗いた。
これは、舌だ。
真っ黒な塊が目を開き、口を開いたのだ。
恐怖に後ずさりをすると背中に壁がぶつかった。