誘われて事故物件に暮らしはじめました。

「もしかしてトモの体調が悪いから霊が活発になってるのかも」
「そうか。それは申し訳ないな。そないしたらええんやろ」
トモの話すスピードはいつもの半分以下だ。
話すのもしんどいようで時折きつく目を閉じている。
「心配しなくていいよ。どうにかするから」
霊感があるだけの役立たずの僕が言うセリフではないとわかっている。
けれど今は弱っているトモに頼ることもできず、元気づける他なかった。
ギシッと音がしてリビングの床がきしむ。
もちろん、リビングには今誰もいない。
「変やな……いつもはこんなことないのにな」
トモも部屋の中の異変に気が付いている。
だけど僕は笑顔を張り付かせた。