誘われて事故物件に暮らしはじめました。

普段は無表情な彼女が大きく口を開いて笑っている。
口の中から血がダラダラと流れだし、前歯が何本も折れているのが見えた。
『私も連れてって』
動いた口から今度はウジ虫がこぼれだしてきた。
地面を這う無数のウジが僕の運動靴に這い上がってきた瞬間、甲高い悲鳴が聞こえてきた。
それが自分の口から発せられている悲鳴だと気が付くまでに時間がかかった。
気が付けば保健室のベッドに寝かされていて、隣には父親がいた。
僕は彼女に話かけられた直後に絶叫し、息を失ってしまったようだ。
すぐにかけつけてくれた先生に保健室まで運ばれて、その10分後には父親が会社を早退して学校まで来てくれたのだと後から知った。