誘われて事故物件に暮らしはじめました。

アルコールの力を借りなければこんな風に過去のことを話すこともなかっただろう。
「ひとつ気になってたんやけど、その霊感は生まれつき?」
僕の涙が完全に引っ込んでからトモが聞いてきた。
僕は「うん」と、短く返事をしてうなづく。
トモが選んだ甘いおつまみを口にいれると、意外と悪くないことがわかった。
「それって親からの遺伝とか?」
「父親も霊感持ちなんだ。僕ほどじゃないみたいだけど」
僕の父親は悪いものを肌で感じることができる。
父親が全身に鳥肌を立てていると、そばには必ずなにかがいた。