誘われて事故物件に暮らしはじめました。

だんだん目が覚めてきたようで、額の汗を手の甲でぬぐって上半身を起こした。
「でも顔色が悪いよ」
「なんか、変な夢を見た気ぃする。でも内容は覚えてへん」
首を左右に振ってはぁ……とため息を吐き出すその姿はいつものトモらしくない。
やはり悪夢でも見たのかもしれない。
「麦茶持ってくる」
僕は一旦キッチンへ向かってグラスに冷えた麦茶をつぐとすぐにトモの元へと戻った。
「ありがとう」
トモはそれを一気に半分ほど飲み干して大きくため息を吐き出した。
少し顔色がよくなってきたみたいだ。
「腹減ったな。昼飯にしようか」
「お昼はとっくに過ぎてるけどね」
僕はそう言い、苦笑いを浮かべた。

☆☆☆