誘われて事故物件に暮らしはじめました。

ようやく部屋の中から影が消えたことに気が付いたのは、それままの状態で数分間が経過したときだった。
「レン、大丈夫か!?」
バッと身を離したかと思うと僕の体を上から下まで確認する。
「え、うん。大丈夫だよ」
首を締められた時の感触はまだリアルに残っているけれど、もう影は消えた。
部屋の空気の重たさも今は鳴りを潜めて、平和な空間に戻っている。
「よかったぁー!!」
僕の両肩に手を置いてはぁーっと大きく息を吐き出すトモは目に涙をためている。
「トモどうして?」