誘われて事故物件に暮らしはじめました。

これだけひどい部屋なら誰が暮らしていたって毎日なにかしら起こりそうだけれど。
そう思っていると、トモが僕の考えを見透かした様子で首を左右に振った。
「あかんねんオレら。ほんまにどんな心霊スポットに行ってもなにも起こらへん。それこそ、行けば絶対になにかが起こるって100パーセントの怪奇現象を保障された場所に行っても、なぁんにも起こらへんかったんやから」
僕としては羨ましいことだけれど、心霊系動画配信者としては致命的なのだろう。
トモは今までの苦労を思い返すように視線を空中へと移動させて目をうるませている。
「霊感ゼロなのに、どうして心霊系の動画を撮ろうと思ったの?」