「学校で、白衣を着た男の先生に変な言葉の書いた紙をもらったんです。矢橋先輩に渡してくれないかって」
「それって、もしかして黒渕か!?」
「……えっと、俺まだ先生の名前がよく分からなくて」
あの時は託されるように渡されたから、先輩のことを助けなくちゃって気も動転していた。白衣を着ている雰囲気からして、化学や生物の先生なんじゃないかとは思うけど。
「また黒渕だ! 渡されたのって、変な文字が書いた紙だろ?」
「そうです!」
先輩も変な文字と言ってくれるから、俺だけ変だと思っていたんじゃなくて良かったと安心する。
「それ、化学の黒渕先生だよ。入学当初からやたら俺に話しかけてくるんだよ。あの人お化けみたいで怖くね?」
「……え、あー、まぁ」
霊と話せる人が、人間をお化けみたいで怖いとか言うのもどうかとは思うけど。
「その先生が、矢橋先輩にこれを持っていてもらわないと危険な気がするって言っていて」
「これって?」
「さっき、取り憑かれた先輩に触れた瞬間に燃えて無くなっちゃったんですけど、よく分からない文字や数字が書いた紙です」
「……やっぱり黒渕じゃねぇか」
ため息混じりに先輩が頭を抱える。
「まさかそのわけわかんねぇ紙を信じて俺から霊を祓おうとしてくれたってことかよ」
「あ、いや、一か八かで」
ほんと、あの時は賭けだと思った。
「それパチモンだからね? あの先生化学で霊の正体を解き明かしてやるとか言って、いっつもわけわかんねぇ数式とか言葉の書いた紙を俺の靴箱に入れてくるんだよ」
確かに、あの時も先生は昇降口にいて先輩の上靴を見ていた。でも。
「視えはしないけど、感じるって言っていましたよ」
少なからず、先輩と似たような体質の持ち主なのではないだろうか?
「あー、嘘嘘。俺がいっつもやらかしてるから心配してくれてるだけ。付き纏われんのは霊だけで間に合ってんだよ。あの先生苦手なんだよね、俺」
いや、霊の方が苦手になるべきじゃないのか?
「でも、さっきは先生の変な紙のおかげでとりあえず助かったんだと思います」
「……まぁ、話聞くとそんな感じだよね。でも、祓い切れてはないんだよね」
ジッと、先輩は来た方向を見つめている。俺もそちらの方を見てみるけど、ここから数十メートル先は真っ暗で何も見えない。
「千羽くんのことを巻き込みたくないから、もうあそこには近づかないようにするね」
「はい、そうしてもらえると俺も安心です」
「よっし、腹減ったなぁ。買い物して行こうか。何食いたい? 助けてくれたお礼に手料理をご馳走してあげよう」
「え! マジですか!? やった! 俺、なんでも食べれます!」
自炊なんてしたことがなかったし、これからの生活はスーパーの惣菜頼りかと思っていたのに、まさか手料理が食べられるなんて。しかも! 矢橋先輩の!! ここ重要!
変なことばっかり起こってるけど、ご褒美みたいに幸せなことも起こるから、プラマイゼロ。むしろプラスだ。先輩との距離が縮まって幸せマックスだ。
「それって、もしかして黒渕か!?」
「……えっと、俺まだ先生の名前がよく分からなくて」
あの時は託されるように渡されたから、先輩のことを助けなくちゃって気も動転していた。白衣を着ている雰囲気からして、化学や生物の先生なんじゃないかとは思うけど。
「また黒渕だ! 渡されたのって、変な文字が書いた紙だろ?」
「そうです!」
先輩も変な文字と言ってくれるから、俺だけ変だと思っていたんじゃなくて良かったと安心する。
「それ、化学の黒渕先生だよ。入学当初からやたら俺に話しかけてくるんだよ。あの人お化けみたいで怖くね?」
「……え、あー、まぁ」
霊と話せる人が、人間をお化けみたいで怖いとか言うのもどうかとは思うけど。
「その先生が、矢橋先輩にこれを持っていてもらわないと危険な気がするって言っていて」
「これって?」
「さっき、取り憑かれた先輩に触れた瞬間に燃えて無くなっちゃったんですけど、よく分からない文字や数字が書いた紙です」
「……やっぱり黒渕じゃねぇか」
ため息混じりに先輩が頭を抱える。
「まさかそのわけわかんねぇ紙を信じて俺から霊を祓おうとしてくれたってことかよ」
「あ、いや、一か八かで」
ほんと、あの時は賭けだと思った。
「それパチモンだからね? あの先生化学で霊の正体を解き明かしてやるとか言って、いっつもわけわかんねぇ数式とか言葉の書いた紙を俺の靴箱に入れてくるんだよ」
確かに、あの時も先生は昇降口にいて先輩の上靴を見ていた。でも。
「視えはしないけど、感じるって言っていましたよ」
少なからず、先輩と似たような体質の持ち主なのではないだろうか?
「あー、嘘嘘。俺がいっつもやらかしてるから心配してくれてるだけ。付き纏われんのは霊だけで間に合ってんだよ。あの先生苦手なんだよね、俺」
いや、霊の方が苦手になるべきじゃないのか?
「でも、さっきは先生の変な紙のおかげでとりあえず助かったんだと思います」
「……まぁ、話聞くとそんな感じだよね。でも、祓い切れてはないんだよね」
ジッと、先輩は来た方向を見つめている。俺もそちらの方を見てみるけど、ここから数十メートル先は真っ暗で何も見えない。
「千羽くんのことを巻き込みたくないから、もうあそこには近づかないようにするね」
「はい、そうしてもらえると俺も安心です」
「よっし、腹減ったなぁ。買い物して行こうか。何食いたい? 助けてくれたお礼に手料理をご馳走してあげよう」
「え! マジですか!? やった! 俺、なんでも食べれます!」
自炊なんてしたことがなかったし、これからの生活はスーパーの惣菜頼りかと思っていたのに、まさか手料理が食べられるなんて。しかも! 矢橋先輩の!! ここ重要!
変なことばっかり起こってるけど、ご褒美みたいに幸せなことも起こるから、プラマイゼロ。むしろプラスだ。先輩との距離が縮まって幸せマックスだ。



