少女は廻る星を憶う

私は物心ついた時から木場澪ではない。

私は生まれたときから希死念慮がある。理由はなかった。

ただ、その感覚はいつも背後にあった。

退屈だった。

だから、知識を集めた。

この国で一番すごいといわれる大学に入った。

入学してすぐ、講義室の空気に違和感を覚えた。

誰もが未来の話をしていた。

私は、未来を前提にした言葉に耐えられなかった。

だから、一年休学した。

興味がなかった、というのは正確ではない。

関心はあった。

ただ、その関心は、私自身の生とは結びつかなかった。

私は、自分の仕事を全うしようとしていたのだと思う。たぶん。

私と同じ存在がこの世界に侵入したとき、全身の毛が逆立つのを感じた。

皮膚の奥で、何かが引っかかる。

うまく息が通らない。

喉の奥に、見えない異物が触れているような感覚だけが残る。

なぜそう思ったのか、説明できない。

実際に見たわけでも、確認したわけでもない。

それでも確実にいる。

この世界に、私と同じ人間が。

私は魔法少女が好きだ。

どれだけ仲間がいても本当の意味では他者と繋がることのできない主人公のことをいつも自分に重ねる。

私はデスコアが好きだ。

このジャンルはいつも私の代わりに世界に対して怒りを振りまいてくれる。

孤独な自分を哀しみ、 慈しんでいる。

私は孤独が好きだ。

誰にも邪魔されない。思考を洗練する時間。

だが、常に私が二人いる感覚が最近ひどく強くなっていて、孤独を楽しむことができない。

会わなければならない、もう一人の私に。