少女は廻る星を憶う

私はビルの屋上で、どこまでも遠く続く街の灯りを眺めていた。

ここから身を投げても、私の体はもう助かってしまう。

私の好きなアニメの主人公がビルの大画面に映し出されていた。

笑顔のまま、世界を救う少女。

今度また、二人で見に行こう。

スマートフォンの画面に映るVlogには、あの日の愛美がいた。

「また行こうね」と言って笑う顔。

彼女と撮ったプリクラ。

彼女の誕生日をホテルで祝ったナンバーバルーン。

愛美がくれたネックレスを両手で包むように握りしめた。

私は過去を閉じ、深呼吸した。

もう一度、あの夜の続きを選ぶ。

今度は、私の意思で。