少女は廻る星を憶う

物心ついた時から、理不尽が世界の全部だった。

逃げ惑う人々の声と悲鳴が、幼かった私の耳朶に焼き付いている。

破壊されたテーマパーク。断裂した人体。崩れた幻想。

泣き崩れ膝が折れ、私の身体は現実を拒んだ。

皮膚が焼け爛れた騎馬は、それでもなお、焦げた夢の匂いを撒き散らしながら回り続けていた。

ジェットコースターは、ソレにとって牢獄の鉄格子に見えたのかもしれない。

だが、ソレは無造作に、夢の構造をなぎ倒していった。

異形のソレは玩具の楽園を散らかして私の方へ近づいてくる。

恐怖が色を持って流れた。雨はその色に染まり誰も気づきはしない。

もう─────誰もいない。