これをお読みになっている〇〇先生にも覚えのある話かと思いますが、生後間もない赤子と呼ばれる時期には全身の骨格や筋肉を動員する方が健康と言うものなのです。ハイハイには、股関節や肩関節、胸部の筋肉も含めて実に大きな筋肉と、多種多様な関節の動きを用います。まだ小さい頃からこの筋肉や関節の動きを十分に使うことで、将来的には柔軟で運動神経に恵まれた体づくりをすることが可能なのです。これを、私は知っているのです。時折私は、私自身で秀太のお迎えに向かうことがあります。その迎えに行った先で先生方がハイハイをやめさせて歩かせようとしているのを目につけるや、一心に怒鳴って中断させていました。ハイハイをここでやめたら、将来の秀太の成長に結びつかない。サッカーでも野球でも、バスケットボールでも、種目は問いません、秀太の将来の活躍を思えばこそ、ここは一旦、周囲に置いていかれる事実を黙認しなくてはいけないのです。先生方は何やら、先生ならではの理論がおありのことと見えます。こちらの教育方針に異議を唱えんばかりの理論を語るのですが、私には貸す耳がありませんでした。全部突っぱね、この子のためですからと反駁し、そのようにしてついには黙らせることに成功したのです。今でもこの経験は、語り継ぐべき数少ない私の美談だと確信しています。
また、夫もこの件に関して私とは反対の立ち位置にいるのでしたが、こちらも理路整然、とでも言ったら良いのでしょうか、とにかく真実を語って聞かせ、夫もまた静かになるのでした。私の優位は、ちっとも揺るがないのだという確信と愉悦に、浸っていたのです。後年に至りこれが、息子との確執を生む一因になろうとは、夢にも思っていませんでした。ここで、私の心中を吐露させてください。私は、息子や家族のためにあれやこれやとてんてこ舞いの大騒ぎをして、そのようにして二人の男性たちを守ってやろうという意気込みだったのですが、どうやら、違うらしいのです。全部、とまではいかなくとも私の思惑は、男たちの論理の前では意味をなさないものであるらしく、このハイハイの一件をとっても心の底では承服しかねるような、意味不明の理論であったらしいのです。それを数年越しに掘り返し、改めて反論に移る男たちの浅ましさには思わず額に手を当てたくなるものですが、とにかく私の考えは、間違っていることもあったようなのです。これについては、さすがの私と言えど反省の色が滲んでくるようでした。
また、夫もこの件に関して私とは反対の立ち位置にいるのでしたが、こちらも理路整然、とでも言ったら良いのでしょうか、とにかく真実を語って聞かせ、夫もまた静かになるのでした。私の優位は、ちっとも揺るがないのだという確信と愉悦に、浸っていたのです。後年に至りこれが、息子との確執を生む一因になろうとは、夢にも思っていませんでした。ここで、私の心中を吐露させてください。私は、息子や家族のためにあれやこれやとてんてこ舞いの大騒ぎをして、そのようにして二人の男性たちを守ってやろうという意気込みだったのですが、どうやら、違うらしいのです。全部、とまではいかなくとも私の思惑は、男たちの論理の前では意味をなさないものであるらしく、このハイハイの一件をとっても心の底では承服しかねるような、意味不明の理論であったらしいのです。それを数年越しに掘り返し、改めて反論に移る男たちの浅ましさには思わず額に手を当てたくなるものですが、とにかく私の考えは、間違っていることもあったようなのです。これについては、さすがの私と言えど反省の色が滲んでくるようでした。


