第壱章
夏の始まり
あれは、ジメジメとした夏の始まりだった。
新学期の終わりの夏休みが来た。僕は夏休みがきてから家でずっとダラダラの日々を送っていた。
さすがに外に出た方がいいのは、自分でも自覚があるが、外に出たらいつどこでクラスメイトに出会ったら絶対気まずいのだろう。なら、夜ならとふと思い、真夜中に自宅から少し遠いが、展望台がある公園に行くことにした。
その公園は、日直射日光が降り注ぎ、気の狂ったような暑さが爆発するが、夜になると、日中とは真逆で空は満点の星空を輝かせている。
僕は最後に行ったのはいつの日だろうと、思いながらも山を登ってゆく。そろそろ頂上に着くだろう。
林の葉っぱや幹などの隙間から微かにこぼれた満月の光は、頂上に着いた途端に、一気に、満月の光が照された。
展望台に行き、夜空を見上げた。今日は満月が出ているせいか、星が出ていなかったけど、それでも綺麗だった。
下を見ると、街の光が灯っていた。そして、遠い所にある満月の光で水面が反射をして、キラキラと輝いている海を眺めていたが、後ろから足音が聞こえた。
振り向くと、そこには身長が低く、白いワンピースを着ているふわふわな茶色髪の女の子がいた。
多分、僕と同じ年だろうと思いながらも僕はつい、ジーっと眺めてしまった。それに気がづいた茶髪の女の子は、口を開いた。
「あの初対面ですが、私と付き合ってくれませんか?」
その言葉を聞いた僕は、人生初めて告げられたせいか、ただ戸惑うことしか出来なかった。
まぁとりあえず一旦落ち着き、冷静に自然にと思いながら、「自己紹介からしませんか?」と僕は言った。
茶髪の女の子は、それを理解をしたのか承知をし、頷き。
「えっと私は、満月…………光です。」
僕がお願い通りに、自己紹介をしてくれた。次は僕の番だなと、思いながらも僕は、少し緊張する。
「僕はッ!ハハッ僕は⚪︎ッキーだよ!よろしくね」
そう緊張しながらも言ってしまった。流石、今まで女子と話したことがない男だなっと、自分でも自覚をしてしまうほどである。
だがしかし、そんな僕を笑ってくれる微かに聞こえた笑い声に気づき、僕はチラッと光さんの顔を見た。光さんは口に手を押えながらも笑い声を堪えていた。それを見た僕は、なんだかホッとし、肩の力が抜けた。
それから数分間が経ち、落ち着いた光さんは、先ほどまで笑っていたせいか涙目だった。それに気付いた光さんは人差し指で自分の涙を拭き取り、僕の方を見つめながら。
「ごめんなさい。面白過ぎて……。私、昔から笑いのツボが浅くてさ〜。君のそれ面白ったよ!」
僕は首を横に振り、こう言った。
「こちらこそ、一時どうなるかと思ったよ……」
苦笑しながらも答えた。
光さんは閉じていた口を開き。
「早速本題に戻るね」
そういうから僕は返事をした。
「うん」
光さんは素敵な笑顔で。
「もう一度言うね。私は貴方の事が大好きです。付き合ってください!!!」
言った後、照れながら俯いた光さん。
僕はまだ光さんとは初対面だし、光さんのことはまだ知らない。付き合うってゆうものは、お互い好きになって付き合うもんだと僕はなんとなく知っている。まぁ、大抵は漫画・アニメ・小説・映画など色々様々なもので知ってたけど、光さんはよーっく見ると、本当に可愛くて綺麗な女の子だと誰だって思うはずだろう。けど、僕は光さんに対してあまりにも恋愛対象や興味とか一切ないし、もし断ったら光さんは傷つくだろう。この場合、大抵振る祭に友達からと言った方が後先のめんどいことはないと思えた。
「ごめんなさい僕は、光さんのことは何も知らないです。それと、僕は……恋愛感情とか興味ないんだよね。だから友達から始めない?」
ごめんと思いながらも、僕は素直に伝えた。
途端彼女の笑顔だった顔が、少し悲しい顔になった瞬間。僕は少し罪悪感を感じた。
「友達からよろしくね!でもね、諦めないから」
光さんはニコニコと作り笑いというより、よくお母さんが行くスーパーのお兄さんがしている営業スマイルをしていた。
それを見た僕は何かの歯車が動いたような気がした。不安と恐怖を感じながら、僕はひたすら大丈夫だよね?間違っていないよねっと自分に問いかけながらひたすら尋ねた。だが、教えてくれないため、考えることにしたんだ。
だが途中のことだった。ただただ自分にはまだ早かったんだよと、思うしか出来なかった。光さんはなぜ初対面なのに、僕に告白をしたんだろうと、不思議にまた新たな感情が湧き出た。
どうせ考えてもしょうがないと思い、僕はn光さんに質問をすることにした。
「光さんは、なぜ僕に告白をしたんだい?」
そう言うと、光さんは僕の質問に答えづらい顔をしたが、すぐにでもスッと元の顔に戻り、自分の唇に人差し指をあてながら「秘密」と言った。
僕はその行動を見て不思議に思った。光さんはなぜ秘密にしたんだろうと、よくある少女漫画や乙女ゲームなどでは、何か裏がある場合だ。今光さんがやったとおりに、自分の唇に人差し指を当ててこう言う。秘密と。多分光さんは秘密主義なんだろうと思い込み、一々こんな事を考えてもしょうがないと考えるのを辞め、夜空を見上げた。
いつの間にか、空は少しずつ明るく染まっていた。
それに気付いた僕は帰ることにした。一応僕と光さんは友達と思う。多分、一緒に夜空を眺めた仲だから、一応帰る場合言ってから帰ることにした。
「僕は帰るね。そろそろ帰らなくちゃだし………」
そう言った後、帰ろうとする僕の腕を光さんは掴んで「待って」と言った。僕は振り向き傾げた。
光さんは涙目で何か訴えるような真っ直ぐとした目で見つめていたからだ。僕が止まっている間、どんどん光さんの瞳から涙がポロポロと頰を伝っていき、なぜ光さんが泣いているのかわからないまま混乱をした。そして、光さんはこう言った。
「また会えるよね?」と、突然の言葉に僕は驚いた。多分この場合他の男なら、恋に落ちているんだろう。これを確かハニートラップと言うのだろう。
「ごめん、それは分からないや。でも、またいつか会えると思うよ。だって、僕は……気分屋で気まぐれだからさ。ここに、たまに来ると思うよ」
僕はそう素直に言った。光さんがクスッと笑っていたその姿が、なんだか女らしくて可愛いと思ってしまった。
次の瞬間、頭が好きっと痛みが走った。その時「やっぱり……」と光さんは言った。やっぱりって何と思いながらも、ただひたすら痛みが和らぐまで頭を抱えて俯くことしか出来なかった。
光さんはその間、何か考えていた険しい顔をして、それから数分経った後、頭の痛みは和らぎ立ち上がれるほどに少しずつ治ってゆく、それを見ていたのか、光さんが心配の眼差しで僕に言う。
「大丈夫?」
僕はそれに応じて「大丈夫」と言ったが、だけどやっぱりってなんだろうと少し気になる自分がいた。
僕と光さんは、過去に会った事があるのだろうか。だって初対面に告白してくるし、わけわかんないよ。気になってしょうがないから聞くしかない。
「あの、光さん。僕たち過去にあったことあるかな。なんて……」
光さんはそれを聞いてボソッと言った。
「なんでそう思うの?」
やっぱり会った事があるんだ……それに答えた。
「だって明らかにおかしいって、さっき聞こえたけどやっぱりって何?それに……最初僕が振り向いた瞬間、光さんは僕の顔を見た時泣きたそうな顔をしていたし……」
そう、泣きそうな顔をしていたあの時は、言えなかった。ここで聞いたら光さんは泣くだろうと思って、流石に初対面の人に泣き顔を晒すのは嫌だと思うからだ。僕でも嫌だし、だから僕は最初に言わず触れずだったが、今の光さんには尋ねる事ができた。
「君はやっぱり探偵さんみたいだね。君が言った通りに、過去にあった事があるよ」
そう言う光さんに僕はこう思ってしまう。やはり、会った事があるんだ……。
「じゃあ、なんで僕は君といると頭がズキッと痛むんだ?それに君と会った時の記憶は?」
光さんは口を開いた。
「知りたいのなら、君の夏休みで記憶を思い出してあげる」
そう言いながら、ニコッと笑った姿を見たん僕はこれしか思いつかなかった。
やはり光さんは悪魔だ……。
光さんは何も知らない。僕の学校の夏休みは、約30日間しかない。そして、夏休みになってから三日が経った。宿題や色々課題など終わっているが、本当にこのまま、大学生の夏休みを光さんと過ごしていいんだろうか。でも気になるが、そう思いながらも僕は頭を抱えながら唸った。
それから10分後の僕は諦めて、この大学生の最後の夏休みは光さんと過ごすことになってしまったのであった。
第二章
硝子の破片
あの日から毎日僕たちは、展望台がある公園で集合をし、過去に光さんと言った事がある場所などを探し求めた。
そして、今日もいつも通りにきたが、光さんは来なかった……。
携帯からは通知は何も来てなかった。そして、電話を掛けても繋がらない。何か嫌な予感がした。言葉に表せない程の感情がくつくつと湧き出てゆく。
そういえば、この前光さんが「たまに突然用事がある日があるから、来なかったら察してね」と言っていたような気がする。だって日に日に顔色が悪くなっていた。
昨日も近くの海に行った時、光さんは倒れた。それは一度どころじゃなく、数回もだ。「もういいよ思い出すのは」と言ったのに、光さんは「良くても私は……どうしても思い出してほしい」と泣きながらも言っていた。
そんな光さんが、日に日に弱っていく姿を僕は見たくないと思ってしまう。また、自分があの時に、約束をしてしまった事の罪悪感を感じ、明日光さんが来たら話そと、ふと思いながらも帰り道に通る下り坂を下った。
下るたびに、冷たい夜風が頬を撫でてほんのりと少しだけ寂しく感じた。
これは、彼女に会えなかった訳でもない。ただ。肌寒かっただけだと自分に言い聞かせながらも無意識に拳を作っていた。
僕は自宅に帰った後、すぐに風呂に入り風呂から上がったその後は、ベットに横になって光さんのことを考えた。光さんは何者なのかをそう考えてゆくたび、ほんのりと少しずつ眠気が襲って最終的に寝落ちをした。
よく晴れた翌日の朝のことだった。
昨日久々に寝る時間が長かったせいか、起きる時に体が重く感じ捉えた。多分、筋肉痛だろうか。頃ごろ動くことばかりだ。流石に、疲労が酷いのだろう。
僕は今何時か気になり、枕元の横に置いていた携帯を手に取り確認をすると、携帯を起動させた。
次の瞬間、ものすごい通知オンがなった。通知オンの原因は光さんだった。よく見ると、謝罪文だった。既読ついたのがわかった光さんは「いつもの場所に来て」と送ってきた。
僕は急いで着替え、家を飛び出した。
展望台がある公園に着いた頃には、光さんはベンチで寝ていたため、僕は後ろにある他のベンチに座ることにした。流石に起こしてしまったら、襲われると勘違いさせたくないからだ。それに、めんどくさい。
数分経った時に、背後からギイッとした音が聞こえた。この公園のベンチは古いため、よくなるんだ。僕はその後に気付き、後ろを振り返った。その瞬間、目の前には光さんの顔が近距離で見えてお互い「ギャァァァ」と叫んだ。人生最大の声で。流石にこの距離なら、びっくりするわと思いながら、お互い見つめあって笑い合った。
「居るなら起こしてよ〜」
光さんは笑いながらも言った。
こっちの気持ちがわからないクセによく言うよと思えた。
「もし起こしたら、襲われていると勘違いするだろ。君なら、ったく……」
ため息をつき混じりで言う僕。
光さんはなるほどという顔をした。なんだか地味に腹立つなぁと思った。まぁ、理解してくれているみたいだし、よしとしようと心の中で呟く。
「今日も記憶探しの旅に行こっか!」
光さんは笑顔で言うものだから、その姿が昨日来ていなかったせいか、なんだか懐かしく感じた。僕はこの時、光さん依存症なのかもしれないと、ふと思ってしまう。
僕はこの夏。光さんと出会って、いろいろな世界の見え方が変わっていた。そう思っていたがその瞬間、光さんは爆発的な言葉を言い始めた。流石の僕でも予想外なことだった。
「私ね。残り三ヶ月しか生きれないから、それまでに記憶をもい出してほしいな〜、なんて……」
そう俯いて告げた。
それを聞いて驚き、冷静にと思いながらも口を開いた。
「なんで?」
やはり声がかすかに震えていた。それでも僕は言い続けた。
「いつから残り三ヶ月しか生きれない事がわかっていたの?も、もしかして昨日?」
僕が言葉を言い終わった時、光さんは頷いた。そして、閉じていた口を開いた。
「そうだよ。だから思い出して」
その声を聞いた途端、僕は絶対泣くのを我慢していたんだろうと感じた。
それと同時に、クズな僕に残り少ない君の人生の時間を僕は奪っていることを知った。
「大丈夫だよ。君なら思い出せる」
次の瞬間、光さんは僕に抱きつきながら呟いた。僕はただひたすら泣くのを我慢をした。本当は、君が一番我慢をしているのにと思った。
「僕……頑張るよ!」
僕にできることは、そう言うことしかできなかった。かすかに震える声だとしても、頼りない僕でも、君を支えたいと思えた。
それに応じて、光さんは頷き「わかった」と僕の目を見ていった。その目は真っ直ぐで、なんだか儚かった。
そして、十三日が経った時だったその日、神社に行くことにした。過去に僕と光さんは、今いる神社に行った事があるらしい。そこで何をしたのかは、なんとなくわかった気がした。
光さんがお守りを買っている間、僕は神社を散歩をしていたが途中、神社裏に樹木があった。
僕は樹木を見上げた。突風がビュッと吹いた。その時の樹木の幹や葉がなんだか踊っているように見えたのであった。
次の瞬間、頭痛が走ったせいなのか無意識に俯いた。
あの時と同じ痛みが走り出した。背後から誰かが走ってくる足音が聞こえた。その足音は、どんどん近寄ってくる。
僕は振り向き、こちらに走ってくるのは、光さんだった。今の僕の状況を把握したのか「大丈夫?」と聞きながら近寄ってきた。
「こんくらい大丈夫だよ。前もあったしね」
そう答えた僕だが、本当はものすごく痛いと言いたかったが、そんな暇はなかった。頭痛が走った時に、頭裏で曇っていた何かが晴れてきたような気がした。
僕はそれを知らせたかったからだ。
「光さん……僕さ、何かを思い出しそう」
痛いのを我慢して、顔を上げて伝えると、光さんは微笑んで「そっか」と言った。僕はそれに応じて頷く。少し間を作って光さんは目を輝かせて、僕のことをじっと見た。
「ちなみに、何を思い出しそうだったの?」
「ここで僕たち何かしたような気がする」
光さんの顔は、どんどん顔が曇った。
そして……………………。
「ここで離れ離れになったんだよ。そのせいか君は、あまりのショックを受けて私との記憶を忘れたんだと思うの」
僕は喉に何かが引っかかって声が出せなかった。
だが、すぐに出せた。
「じゃあなんで君と僕は、離れ離れになったの?原因は?」
僕が質問をすると、光さんは頷き。
「それは、私の親が仕事の場所が変わるから引っ越すことになったの。それを知らせるため。あの日、私は君にいったそのことだけど、君はあまりのショックを受けて私との記憶を忘れたとさ」
光さんはやれやれとため息をつきながら言う。
それを聞いた僕は、自分お過去を知って恥ずかしくなった。
穴があれば入りたいと思いながらも頭を抱えた。そんな姿を見た光さんは、くすくすと笑っていた。
「これで過去の全てを思い出させたヨォ〜。長い日々だったな……」
そう寂しそうに言う光さんを、僕は眺めていた。
「後残り少ない人生どうしようなか〜」
「私さ、君以外と友達作った事がなかったから、君いがいの友達いないんだよね。それに、君とまだ付き合えてないし!それに……」
まだ言いたい事がありそうだ。僕はこの場合なんて言えばよかろうと呆れながら。
「いやいや急にどうした。ネガティブな事を言い始めて」
思わずツッコミどころじゃないけど、言った。それを聞いた光さんはというと「だって〜」って言いながらも不貞腐れる光さん。
それより、残り少ない夏休みをどっすか〜と思いながらも、お互い違ったことに悩んでいたが……。
「君とどっかで遊ぼうぜ」
僕と光さんの言葉がハモリ、ナゾの握手を交わした。
それから僕と光さんは、近くにある海で遊ぶようになった。初め、光さんが突然行きたいと言い、僕は付き添いで行った。それから、光さんは海で遊ぶことにハマってしまった。
そして、光さんの寿命が後残り三日になった時、僕はその日から光さんとは連絡が繋がらなくなり、それから探したが見つからなかった。
空は暗くなり、探しても見つからないのなら、どうせ探せばいいんだろうかと思いながら、展望台がある公園で一旦整理するために行ったら、光さんがあの日買っていたのだろうお守りがあった。
なぜあそこにお守りがあったのか分からず、それから3年が経った。今振り返ると不思議だなとふと思う。あの夏君がくれた始まりと終わりが今でも夜空を眺めるたびに蘇る。
そう今日も蘇えながら、ベランダで僕はタバコを吸いながらも過去を思い出したのであった。
夏の始まり
あれは、ジメジメとした夏の始まりだった。
新学期の終わりの夏休みが来た。僕は夏休みがきてから家でずっとダラダラの日々を送っていた。
さすがに外に出た方がいいのは、自分でも自覚があるが、外に出たらいつどこでクラスメイトに出会ったら絶対気まずいのだろう。なら、夜ならとふと思い、真夜中に自宅から少し遠いが、展望台がある公園に行くことにした。
その公園は、日直射日光が降り注ぎ、気の狂ったような暑さが爆発するが、夜になると、日中とは真逆で空は満点の星空を輝かせている。
僕は最後に行ったのはいつの日だろうと、思いながらも山を登ってゆく。そろそろ頂上に着くだろう。
林の葉っぱや幹などの隙間から微かにこぼれた満月の光は、頂上に着いた途端に、一気に、満月の光が照された。
展望台に行き、夜空を見上げた。今日は満月が出ているせいか、星が出ていなかったけど、それでも綺麗だった。
下を見ると、街の光が灯っていた。そして、遠い所にある満月の光で水面が反射をして、キラキラと輝いている海を眺めていたが、後ろから足音が聞こえた。
振り向くと、そこには身長が低く、白いワンピースを着ているふわふわな茶色髪の女の子がいた。
多分、僕と同じ年だろうと思いながらも僕はつい、ジーっと眺めてしまった。それに気がづいた茶髪の女の子は、口を開いた。
「あの初対面ですが、私と付き合ってくれませんか?」
その言葉を聞いた僕は、人生初めて告げられたせいか、ただ戸惑うことしか出来なかった。
まぁとりあえず一旦落ち着き、冷静に自然にと思いながら、「自己紹介からしませんか?」と僕は言った。
茶髪の女の子は、それを理解をしたのか承知をし、頷き。
「えっと私は、満月…………光です。」
僕がお願い通りに、自己紹介をしてくれた。次は僕の番だなと、思いながらも僕は、少し緊張する。
「僕はッ!ハハッ僕は⚪︎ッキーだよ!よろしくね」
そう緊張しながらも言ってしまった。流石、今まで女子と話したことがない男だなっと、自分でも自覚をしてしまうほどである。
だがしかし、そんな僕を笑ってくれる微かに聞こえた笑い声に気づき、僕はチラッと光さんの顔を見た。光さんは口に手を押えながらも笑い声を堪えていた。それを見た僕は、なんだかホッとし、肩の力が抜けた。
それから数分間が経ち、落ち着いた光さんは、先ほどまで笑っていたせいか涙目だった。それに気付いた光さんは人差し指で自分の涙を拭き取り、僕の方を見つめながら。
「ごめんなさい。面白過ぎて……。私、昔から笑いのツボが浅くてさ〜。君のそれ面白ったよ!」
僕は首を横に振り、こう言った。
「こちらこそ、一時どうなるかと思ったよ……」
苦笑しながらも答えた。
光さんは閉じていた口を開き。
「早速本題に戻るね」
そういうから僕は返事をした。
「うん」
光さんは素敵な笑顔で。
「もう一度言うね。私は貴方の事が大好きです。付き合ってください!!!」
言った後、照れながら俯いた光さん。
僕はまだ光さんとは初対面だし、光さんのことはまだ知らない。付き合うってゆうものは、お互い好きになって付き合うもんだと僕はなんとなく知っている。まぁ、大抵は漫画・アニメ・小説・映画など色々様々なもので知ってたけど、光さんはよーっく見ると、本当に可愛くて綺麗な女の子だと誰だって思うはずだろう。けど、僕は光さんに対してあまりにも恋愛対象や興味とか一切ないし、もし断ったら光さんは傷つくだろう。この場合、大抵振る祭に友達からと言った方が後先のめんどいことはないと思えた。
「ごめんなさい僕は、光さんのことは何も知らないです。それと、僕は……恋愛感情とか興味ないんだよね。だから友達から始めない?」
ごめんと思いながらも、僕は素直に伝えた。
途端彼女の笑顔だった顔が、少し悲しい顔になった瞬間。僕は少し罪悪感を感じた。
「友達からよろしくね!でもね、諦めないから」
光さんはニコニコと作り笑いというより、よくお母さんが行くスーパーのお兄さんがしている営業スマイルをしていた。
それを見た僕は何かの歯車が動いたような気がした。不安と恐怖を感じながら、僕はひたすら大丈夫だよね?間違っていないよねっと自分に問いかけながらひたすら尋ねた。だが、教えてくれないため、考えることにしたんだ。
だが途中のことだった。ただただ自分にはまだ早かったんだよと、思うしか出来なかった。光さんはなぜ初対面なのに、僕に告白をしたんだろうと、不思議にまた新たな感情が湧き出た。
どうせ考えてもしょうがないと思い、僕はn光さんに質問をすることにした。
「光さんは、なぜ僕に告白をしたんだい?」
そう言うと、光さんは僕の質問に答えづらい顔をしたが、すぐにでもスッと元の顔に戻り、自分の唇に人差し指をあてながら「秘密」と言った。
僕はその行動を見て不思議に思った。光さんはなぜ秘密にしたんだろうと、よくある少女漫画や乙女ゲームなどでは、何か裏がある場合だ。今光さんがやったとおりに、自分の唇に人差し指を当ててこう言う。秘密と。多分光さんは秘密主義なんだろうと思い込み、一々こんな事を考えてもしょうがないと考えるのを辞め、夜空を見上げた。
いつの間にか、空は少しずつ明るく染まっていた。
それに気付いた僕は帰ることにした。一応僕と光さんは友達と思う。多分、一緒に夜空を眺めた仲だから、一応帰る場合言ってから帰ることにした。
「僕は帰るね。そろそろ帰らなくちゃだし………」
そう言った後、帰ろうとする僕の腕を光さんは掴んで「待って」と言った。僕は振り向き傾げた。
光さんは涙目で何か訴えるような真っ直ぐとした目で見つめていたからだ。僕が止まっている間、どんどん光さんの瞳から涙がポロポロと頰を伝っていき、なぜ光さんが泣いているのかわからないまま混乱をした。そして、光さんはこう言った。
「また会えるよね?」と、突然の言葉に僕は驚いた。多分この場合他の男なら、恋に落ちているんだろう。これを確かハニートラップと言うのだろう。
「ごめん、それは分からないや。でも、またいつか会えると思うよ。だって、僕は……気分屋で気まぐれだからさ。ここに、たまに来ると思うよ」
僕はそう素直に言った。光さんがクスッと笑っていたその姿が、なんだか女らしくて可愛いと思ってしまった。
次の瞬間、頭が好きっと痛みが走った。その時「やっぱり……」と光さんは言った。やっぱりって何と思いながらも、ただひたすら痛みが和らぐまで頭を抱えて俯くことしか出来なかった。
光さんはその間、何か考えていた険しい顔をして、それから数分経った後、頭の痛みは和らぎ立ち上がれるほどに少しずつ治ってゆく、それを見ていたのか、光さんが心配の眼差しで僕に言う。
「大丈夫?」
僕はそれに応じて「大丈夫」と言ったが、だけどやっぱりってなんだろうと少し気になる自分がいた。
僕と光さんは、過去に会った事があるのだろうか。だって初対面に告白してくるし、わけわかんないよ。気になってしょうがないから聞くしかない。
「あの、光さん。僕たち過去にあったことあるかな。なんて……」
光さんはそれを聞いてボソッと言った。
「なんでそう思うの?」
やっぱり会った事があるんだ……それに答えた。
「だって明らかにおかしいって、さっき聞こえたけどやっぱりって何?それに……最初僕が振り向いた瞬間、光さんは僕の顔を見た時泣きたそうな顔をしていたし……」
そう、泣きそうな顔をしていたあの時は、言えなかった。ここで聞いたら光さんは泣くだろうと思って、流石に初対面の人に泣き顔を晒すのは嫌だと思うからだ。僕でも嫌だし、だから僕は最初に言わず触れずだったが、今の光さんには尋ねる事ができた。
「君はやっぱり探偵さんみたいだね。君が言った通りに、過去にあった事があるよ」
そう言う光さんに僕はこう思ってしまう。やはり、会った事があるんだ……。
「じゃあ、なんで僕は君といると頭がズキッと痛むんだ?それに君と会った時の記憶は?」
光さんは口を開いた。
「知りたいのなら、君の夏休みで記憶を思い出してあげる」
そう言いながら、ニコッと笑った姿を見たん僕はこれしか思いつかなかった。
やはり光さんは悪魔だ……。
光さんは何も知らない。僕の学校の夏休みは、約30日間しかない。そして、夏休みになってから三日が経った。宿題や色々課題など終わっているが、本当にこのまま、大学生の夏休みを光さんと過ごしていいんだろうか。でも気になるが、そう思いながらも僕は頭を抱えながら唸った。
それから10分後の僕は諦めて、この大学生の最後の夏休みは光さんと過ごすことになってしまったのであった。
第二章
硝子の破片
あの日から毎日僕たちは、展望台がある公園で集合をし、過去に光さんと言った事がある場所などを探し求めた。
そして、今日もいつも通りにきたが、光さんは来なかった……。
携帯からは通知は何も来てなかった。そして、電話を掛けても繋がらない。何か嫌な予感がした。言葉に表せない程の感情がくつくつと湧き出てゆく。
そういえば、この前光さんが「たまに突然用事がある日があるから、来なかったら察してね」と言っていたような気がする。だって日に日に顔色が悪くなっていた。
昨日も近くの海に行った時、光さんは倒れた。それは一度どころじゃなく、数回もだ。「もういいよ思い出すのは」と言ったのに、光さんは「良くても私は……どうしても思い出してほしい」と泣きながらも言っていた。
そんな光さんが、日に日に弱っていく姿を僕は見たくないと思ってしまう。また、自分があの時に、約束をしてしまった事の罪悪感を感じ、明日光さんが来たら話そと、ふと思いながらも帰り道に通る下り坂を下った。
下るたびに、冷たい夜風が頬を撫でてほんのりと少しだけ寂しく感じた。
これは、彼女に会えなかった訳でもない。ただ。肌寒かっただけだと自分に言い聞かせながらも無意識に拳を作っていた。
僕は自宅に帰った後、すぐに風呂に入り風呂から上がったその後は、ベットに横になって光さんのことを考えた。光さんは何者なのかをそう考えてゆくたび、ほんのりと少しずつ眠気が襲って最終的に寝落ちをした。
よく晴れた翌日の朝のことだった。
昨日久々に寝る時間が長かったせいか、起きる時に体が重く感じ捉えた。多分、筋肉痛だろうか。頃ごろ動くことばかりだ。流石に、疲労が酷いのだろう。
僕は今何時か気になり、枕元の横に置いていた携帯を手に取り確認をすると、携帯を起動させた。
次の瞬間、ものすごい通知オンがなった。通知オンの原因は光さんだった。よく見ると、謝罪文だった。既読ついたのがわかった光さんは「いつもの場所に来て」と送ってきた。
僕は急いで着替え、家を飛び出した。
展望台がある公園に着いた頃には、光さんはベンチで寝ていたため、僕は後ろにある他のベンチに座ることにした。流石に起こしてしまったら、襲われると勘違いさせたくないからだ。それに、めんどくさい。
数分経った時に、背後からギイッとした音が聞こえた。この公園のベンチは古いため、よくなるんだ。僕はその後に気付き、後ろを振り返った。その瞬間、目の前には光さんの顔が近距離で見えてお互い「ギャァァァ」と叫んだ。人生最大の声で。流石にこの距離なら、びっくりするわと思いながら、お互い見つめあって笑い合った。
「居るなら起こしてよ〜」
光さんは笑いながらも言った。
こっちの気持ちがわからないクセによく言うよと思えた。
「もし起こしたら、襲われていると勘違いするだろ。君なら、ったく……」
ため息をつき混じりで言う僕。
光さんはなるほどという顔をした。なんだか地味に腹立つなぁと思った。まぁ、理解してくれているみたいだし、よしとしようと心の中で呟く。
「今日も記憶探しの旅に行こっか!」
光さんは笑顔で言うものだから、その姿が昨日来ていなかったせいか、なんだか懐かしく感じた。僕はこの時、光さん依存症なのかもしれないと、ふと思ってしまう。
僕はこの夏。光さんと出会って、いろいろな世界の見え方が変わっていた。そう思っていたがその瞬間、光さんは爆発的な言葉を言い始めた。流石の僕でも予想外なことだった。
「私ね。残り三ヶ月しか生きれないから、それまでに記憶をもい出してほしいな〜、なんて……」
そう俯いて告げた。
それを聞いて驚き、冷静にと思いながらも口を開いた。
「なんで?」
やはり声がかすかに震えていた。それでも僕は言い続けた。
「いつから残り三ヶ月しか生きれない事がわかっていたの?も、もしかして昨日?」
僕が言葉を言い終わった時、光さんは頷いた。そして、閉じていた口を開いた。
「そうだよ。だから思い出して」
その声を聞いた途端、僕は絶対泣くのを我慢していたんだろうと感じた。
それと同時に、クズな僕に残り少ない君の人生の時間を僕は奪っていることを知った。
「大丈夫だよ。君なら思い出せる」
次の瞬間、光さんは僕に抱きつきながら呟いた。僕はただひたすら泣くのを我慢をした。本当は、君が一番我慢をしているのにと思った。
「僕……頑張るよ!」
僕にできることは、そう言うことしかできなかった。かすかに震える声だとしても、頼りない僕でも、君を支えたいと思えた。
それに応じて、光さんは頷き「わかった」と僕の目を見ていった。その目は真っ直ぐで、なんだか儚かった。
そして、十三日が経った時だったその日、神社に行くことにした。過去に僕と光さんは、今いる神社に行った事があるらしい。そこで何をしたのかは、なんとなくわかった気がした。
光さんがお守りを買っている間、僕は神社を散歩をしていたが途中、神社裏に樹木があった。
僕は樹木を見上げた。突風がビュッと吹いた。その時の樹木の幹や葉がなんだか踊っているように見えたのであった。
次の瞬間、頭痛が走ったせいなのか無意識に俯いた。
あの時と同じ痛みが走り出した。背後から誰かが走ってくる足音が聞こえた。その足音は、どんどん近寄ってくる。
僕は振り向き、こちらに走ってくるのは、光さんだった。今の僕の状況を把握したのか「大丈夫?」と聞きながら近寄ってきた。
「こんくらい大丈夫だよ。前もあったしね」
そう答えた僕だが、本当はものすごく痛いと言いたかったが、そんな暇はなかった。頭痛が走った時に、頭裏で曇っていた何かが晴れてきたような気がした。
僕はそれを知らせたかったからだ。
「光さん……僕さ、何かを思い出しそう」
痛いのを我慢して、顔を上げて伝えると、光さんは微笑んで「そっか」と言った。僕はそれに応じて頷く。少し間を作って光さんは目を輝かせて、僕のことをじっと見た。
「ちなみに、何を思い出しそうだったの?」
「ここで僕たち何かしたような気がする」
光さんの顔は、どんどん顔が曇った。
そして……………………。
「ここで離れ離れになったんだよ。そのせいか君は、あまりのショックを受けて私との記憶を忘れたんだと思うの」
僕は喉に何かが引っかかって声が出せなかった。
だが、すぐに出せた。
「じゃあなんで君と僕は、離れ離れになったの?原因は?」
僕が質問をすると、光さんは頷き。
「それは、私の親が仕事の場所が変わるから引っ越すことになったの。それを知らせるため。あの日、私は君にいったそのことだけど、君はあまりのショックを受けて私との記憶を忘れたとさ」
光さんはやれやれとため息をつきながら言う。
それを聞いた僕は、自分お過去を知って恥ずかしくなった。
穴があれば入りたいと思いながらも頭を抱えた。そんな姿を見た光さんは、くすくすと笑っていた。
「これで過去の全てを思い出させたヨォ〜。長い日々だったな……」
そう寂しそうに言う光さんを、僕は眺めていた。
「後残り少ない人生どうしようなか〜」
「私さ、君以外と友達作った事がなかったから、君いがいの友達いないんだよね。それに、君とまだ付き合えてないし!それに……」
まだ言いたい事がありそうだ。僕はこの場合なんて言えばよかろうと呆れながら。
「いやいや急にどうした。ネガティブな事を言い始めて」
思わずツッコミどころじゃないけど、言った。それを聞いた光さんはというと「だって〜」って言いながらも不貞腐れる光さん。
それより、残り少ない夏休みをどっすか〜と思いながらも、お互い違ったことに悩んでいたが……。
「君とどっかで遊ぼうぜ」
僕と光さんの言葉がハモリ、ナゾの握手を交わした。
それから僕と光さんは、近くにある海で遊ぶようになった。初め、光さんが突然行きたいと言い、僕は付き添いで行った。それから、光さんは海で遊ぶことにハマってしまった。
そして、光さんの寿命が後残り三日になった時、僕はその日から光さんとは連絡が繋がらなくなり、それから探したが見つからなかった。
空は暗くなり、探しても見つからないのなら、どうせ探せばいいんだろうかと思いながら、展望台がある公園で一旦整理するために行ったら、光さんがあの日買っていたのだろうお守りがあった。
なぜあそこにお守りがあったのか分からず、それから3年が経った。今振り返ると不思議だなとふと思う。あの夏君がくれた始まりと終わりが今でも夜空を眺めるたびに蘇る。
そう今日も蘇えながら、ベランダで僕はタバコを吸いながらも過去を思い出したのであった。
