スクープ!《学校に棲みつく動物2匹と、姿を消した生徒の行方》

『悪い子だーれだ』

 俺の悪行を、現実世界に戻ってきてから考えていた。

 田沼を囮にしようとしたこと。
 縁に嘘を吐いたこと。
 縁と仲良くなりたいと思ったこと。

 囮は生き延びるための手段だった。囮要員にする前から『悪い子だーれだ』は聞こえていたから。縁に関係することだ。

 肝試しから戻ってきた後、田沼には体育館裏で姿は見えなくなっていた狸に謝らせた。怪異現象の記憶は無くとも宙吊りにした記憶まではあるだろうから。

 これで終わると思ったが、縁に呼び出され「真相を確かめたい」と言われた。

 怪異には追いかけ回され、攻撃され急死に一生を得たので俺はこれ以上関わりたいとは思わなかったけれど。

 縁は違った。夢で見た怪異になった生徒と、動物2匹の今後を考えていたようだった。

 一学期の時は断られてしまったのに、同じ言葉で誘われたことが嬉しかった。だから、手を組んで掘り返した。

 残された骨や制服を発見した時、縁は立ち尽くしていた。呼吸が震えていて、本当はとても恐ろしかったのに行動に移したのだと分かった。

 縁を木陰に移動させ休ませて、()の当たりにしても比較的ダメージが少なかった俺が全てを掘り返していく。

(なあ、鈴鳴。俺の悪さって、なんだよ)

 もう死んでしまっている生徒に語りかけながら。

 掘り返す行動は、過去に埋もれてしまった闇を暴いていくような感覚だった。縁が無理に近づく必要はない。
 怪異の声が聞こえた俺が全て見つけるから。

 ……狐と狸の骨も一緒に見つかった。





 *





 電車を乗り継いで遺族の元へ向かうのも、俺は着いていくだけだった。家族への説明も、全て縁が話していく。

 引っ込み思案な性格だと思っていたのに、その日はしゃんとして相手をじっと見つめ、はっきりとした口調で話していく。

 ……知らなかった。真実を伝える縁はこんなにしっかりしているなんて。

 隣に座って呆然と見つめる。

 俺たちは狐と狸に憑依された説もあるけれど。でも話し口調は縁だったから。家族に怪異現象を証明するために2匹は俺たちの体に憑依したのだろう。

 家を後にした帰り道。

「慧護くんがいなかったらここまで来れなかったよ」と俺を見上げて微笑む縁が。

 眩しくて目を逸らす。

 俺もよかった、と返せばいいのに。

 胸の中はモヤモヤと醜い感情が芽生え始めていて、海を見つめながら何だろうと分析していく。