田沼は来ないと予想していたけれど、縁は肝試しに来てくれていた。
最後まで待たせてしまったのに俺を待ってくれていた。
それだけで、今まで連んでいた人たちとは違うような……俺自身が大切にされているような感覚に胸が熱くなって、縁と深く関わりたいという気持ちがさらに強くなる。
早速学校の中に入ろうとすれば縁に止められる。……真っ暗なはずの校舎は、写真では血みどろになっていたから。
しかし教師に見せても異変はないことから、心霊系のものだろうと理由付けて中に入り込む。
それが、いけなかった。
縁の言う通りにしていれば、異空間に閉じ込められることはなかっただろう。
後悔しても今更だ。
廊下は写真を撮ると腸の中のようで、怪異を撮ると生徒たちがぎゅうぎゅう詰めで閉じ込められていて。
オカルトにも詳しくない俺たちには限りがあった。
『悪い子だーれだ』
怪異が近づくとそんな声が聞こえる。しかし縁には聞こえていないようだった。ただ「唸り声が聞こえる」らしい。
『悪い子だーれだ』
縁にもう一度怪異の写真を見せてもらう。
呑み込まれた生徒たちは、所謂いじめっ子気質が多かった。
美化委員が掃除する目の前でゴミをポイ捨てして笑う生徒。
1人を好む生徒を陰キャだと決めつけて陰でクスクス笑う生徒。
……縁には何も聞こえないということは、彼は今まで悪いことはしていない根っからの良い子だと言うことだ。
そもそもこの場に来る予定ではなかったのに、俺が巻き込んでしまった。
……言葉が聞こえるということは、俺も悪いことをしているということだ。
サッカー部を抜けたこと? 写真部に入りたい気持ちを偽って新聞部に入ったこと? ……縁と、仲良くなりたいと思ったこと?
この気持ちが悪い事だとしたら、俺は薄っぺらい人間関係しか築けない。
(俺の悪いことはなんだろう……)
縁を、巻き込んでしまったことかもしれない。
だから、縁だけは確実に元の場所に返してあげたい。
悪い子が食われているというなら、縁は見逃してくれるかもしれない。
そして、胃の中にはまだ田沼はいない。
田沼がいる限りは悪い子を追いかけるだろう。
田沼を痛い目に合わせるために。
「田沼たちと合流しよう」
俺は悪い行動をとっているのかもしれない。
最後まで待たせてしまったのに俺を待ってくれていた。
それだけで、今まで連んでいた人たちとは違うような……俺自身が大切にされているような感覚に胸が熱くなって、縁と深く関わりたいという気持ちがさらに強くなる。
早速学校の中に入ろうとすれば縁に止められる。……真っ暗なはずの校舎は、写真では血みどろになっていたから。
しかし教師に見せても異変はないことから、心霊系のものだろうと理由付けて中に入り込む。
それが、いけなかった。
縁の言う通りにしていれば、異空間に閉じ込められることはなかっただろう。
後悔しても今更だ。
廊下は写真を撮ると腸の中のようで、怪異を撮ると生徒たちがぎゅうぎゅう詰めで閉じ込められていて。
オカルトにも詳しくない俺たちには限りがあった。
『悪い子だーれだ』
怪異が近づくとそんな声が聞こえる。しかし縁には聞こえていないようだった。ただ「唸り声が聞こえる」らしい。
『悪い子だーれだ』
縁にもう一度怪異の写真を見せてもらう。
呑み込まれた生徒たちは、所謂いじめっ子気質が多かった。
美化委員が掃除する目の前でゴミをポイ捨てして笑う生徒。
1人を好む生徒を陰キャだと決めつけて陰でクスクス笑う生徒。
……縁には何も聞こえないということは、彼は今まで悪いことはしていない根っからの良い子だと言うことだ。
そもそもこの場に来る予定ではなかったのに、俺が巻き込んでしまった。
……言葉が聞こえるということは、俺も悪いことをしているということだ。
サッカー部を抜けたこと? 写真部に入りたい気持ちを偽って新聞部に入ったこと? ……縁と、仲良くなりたいと思ったこと?
この気持ちが悪い事だとしたら、俺は薄っぺらい人間関係しか築けない。
(俺の悪いことはなんだろう……)
縁を、巻き込んでしまったことかもしれない。
だから、縁だけは確実に元の場所に返してあげたい。
悪い子が食われているというなら、縁は見逃してくれるかもしれない。
そして、胃の中にはまだ田沼はいない。
田沼がいる限りは悪い子を追いかけるだろう。
田沼を痛い目に合わせるために。
「田沼たちと合流しよう」
俺は悪い行動をとっているのかもしれない。
